米国が対中AI規制を強化、半導体輸出に新たな制限へ

米政府は3日、中国へのAI開発用半導体の輸出規制を強化する新たな措置を発表した。

新規制は国家安全保障上の懸念を理由に実施される。米国企業だけでなくサムスンやSKハイニックスなど韓国企業の対中輸出も規制対象となる。

輸出規制の詳細と影響

今回の規制は過去3年間で3度目の措置となる。中国のPiotechやSiCarrierを含む140社への取引には特別許可が必要となる。規制対象は韓国企業に加え日本企業やシンガポール企業にも及ぶ。

バイデン政権の国家安全保障担当顧問ジェイク・サリバン氏は「米国は技術が国家安全保障を脅かす形で敵対者に利用されることを防ぐため重要な措置を講じた」と説明した。同氏は同盟国と協力し「世界をリードする技術とノウハウを積極的に保護する」姿勢を示した。

中国商務省は米国による規制を「輸出管理措置の乱用」と非難。「通常の経済貿易交流を妨害している」と反発し自国の利益を守る方針を表明した。

次期大統領に決まったトランプ氏は「アメリカファースト」政策を掲げており中国の重要技術アクセスに対する強硬な抑止策を継続するとみられる。

日本企業も規制対象となることで半導体関連企業の事業戦略の見直しが必要となる。特に中国市場への依存度が高い企業は代替市場の開拓や事業ポートフォリオの見直しを迫られる。

個人投資家は半導体関連銘柄の投資判断において米中対立の動向や各企業の中国事業依存度を注視する必要がある。特に規制対象企業との取引関係が深い企業の株価への影響に留意が求められる。

今後は米中間の技術覇権競争が一層激化する可能性が高い。日本企業は米中双方との関係を維持しながら独自の技術開発を進め地政学リスクに対する耐性を高めることが重要となる。