画像生成人工知能(AI)の代表的企業であるStability AIは22日、新しいAIモデル「Stable Diffusion 3.5」を発表した。
Stability AIは2020年に設立され、テキストから画像を生成できる人工知能の開発で知られる企業だ。同社の技術は、商用利用可能な無料モデルを提供することで、世界中のクリエイターから支持を集めている。
3種類のモデルで幅広いニーズに対応
新たに発表されたStable Diffusion 3.5シリーズは、用途に応じて選べる3つのモデルを提供する。最上位モデルの「Stable Diffusion 3.5 Large」は80億のパラメータを持ち、プロフェッショナルな用途に最適化されている。
高速処理を重視する「Stable Diffusion 3.5 Large Turbo」は、わずか4ステップで高品質な画像を生成。さらに10月29日には、一般的なパソコンでも快適に動作する「Stable Diffusion 3.5 Medium」がリリースされる予定だ。
高性能と使いやすさの両立を実現
Stability AIは今回のバージョンで、カスタマイズ性を重視した開発を行った。特に注目すべきは、一般的なパソコンでも動作する効率的なパフォーマンスと、3D、写真、絵画など幅広いスタイルの画像生成が可能な点だ。
画像生成AIとは、文章での指示(プロンプト)から画像を自動生成する技術。今回のモデルは、このプロンプトへの順守性においても市場をリードする性能を実現した。特にLargeモデルは、より大規模なモデルと同等の画質を提供する。
無料で商用利用も可能に
同社は新たなコミュニティライセンスを導入し、非営利目的での利用を完全無料化。さらに、年間収益100万ドル(約1億5000万円)未満の企業や個人クリエイターは、商用目的でも無料で利用できる。
現在、AI開発者向けプラットフォームのHuggingFaceでモデルのダウンロードが可能となっており、今後はStability AI APIやReplicate、DeepInfraなど、様々なプラットフォームからもアクセスできるようになる予定だ。