AI検索ツールのPerplexityは18日、企業向け検索プラットフォームの新機能として、内部知識検索とPerplexity Spacesを発表した。
これらの機能により、ユーザーは社内の情報と公開されているウェブコンテンツを同時に検索し、効率的に情報を統合できるようになる。
画期的な内部知識検索
内部知識検索は、Perplexity ProとEnterprise Proの利用者に提供される。この機能を使うことで、ユーザーは社内のファイルやデータベースと、インターネット上の情報を同時に検索できる。
これにより、より包括的な調査や分析が可能になり、企業の意思決定プロセスが大幅に効率化されると期待されている。
Perplexityのアラヴィンド・スリニバス最高経営責任者は、以下のようにコメントしている。
「ビジネスに関連するウェブの検索と内部検索を組み合わせることは、これまで不可能でした。Perplexityは、内部と外部のデータソースを横断的に検索できる統合型知識プラットフォームを先駆けて提供することで、企業の生産性を飛躍的に向上させます」
Perplexity Spacesで協業を加速
Perplexity Spacesは、チームの研究や情報整理を支援するAI搭載の協業ハブだ。プロジェクトチームの調査や、営業チームの提案書作成、学生チームの学習ガイド作成など、さまざまな用途に合わせてカスタマイズできる。
Spacesでは、同僚や友人を招待して共同作業を行うことができる。また、内部ファイルの接続や、好みの人工知能(AI)モデルの選択、AIアシスタントの応答方法の設定など、詳細なカスタマイズが可能だ。
セキュリティ面では、アクセス制御機能により、チーム内での情報や文書の安全性と秘密性が確保される。
Enterprise Proの利用者の場合、すべてのファイルと検索はデフォルトでAIの品質訓練から除外される。Proユーザーも設定でAIトレーニングをオプトアウトできる。
今後の展開と業界への影響
Perplexityは近く、Enterprise Pro利用者向けにCrunchbaseやFactSetとの連携機能を追加する予定だ。これにより、公開ウェブ、社内ファイル、専門データベースを横断的に検索できるようになる。さらに多くのサードパーティデータとの連携も計画されている。
この新機能の登場で、企業の調査や分析プロセスが大きく変わる可能性がある。特に金融サービス業界では、内部調査と最新の業界ニュースを組み合わせたより堅固なデューデリジェンスが可能になる。
また、営業チームはRFP(提案依頼書)プロセスを迅速化し、人事チームは従業員の福利厚生に関する問い合わせに効率的に対応できるようになる。
Perplexityのこの動きは、企業向けAI検索市場に大きな影響を与えそうだ。競合他社も同様のサービスの開発を加速させる可能性が高く、企業のデジタルトランスフォーメーションがさらに進むことが予想される。