OpenAIは5日、同社の最新AI(人工知能)モデルへのアクセスを提供する月額200ドル(約3万円)の新プラン「ChatGPT Pro」を発表した。
高度な計算能力で精度向上
新プランでは、同社の最新モデル「o1」に加え、「o1-mini」「GPT-4o」「Advanced Voice(高度な音声モード)」へのアクセスが可能となる。特筆すべき機能は「o1 pro mode」で、より多くの計算リソースを活用し、難しい問題への回答精度を向上させる。
外部の専門家による評価では、データサイエンス、プログラミング、判例分析などの分野でo1 pro modeは従来版と比べより正確で包括的な回答を提供している。数学、科学、コーディングの各ベンチマークテストでも従来の「o1」「o1-preview」を上回る性能を示した。
研究者向けの無償提供プログラム開始
また、同社は米国の主要医療研究機関の研究者10名にChatGPT Proを無償提供するプログラムを開始する。ボストン小児病院のキャサリン・ブラウンスタイン准教授、バークレー研究所のジャスティン・リース研究員などが対象となる。将来的に対象地域や研究分野を拡大する計画だ。
専門家向けの高度な機能に特化
ChatGPT Proは、研究者、エンジニアなど日常的に高度なAI機能を必要とするユーザーをターゲットとしている。一般ユーザーには無料版や月額20ドル(約3000円)のPlusプランが推奨しており、同社のアルトマンCEOは「ほとんどのユーザーはPlusプランで充分だろう」と述べている。
新プランでは、質問に対する回答生成に従来より時間をかけることで、精度と信頼性を向上させている。インターフェースには進捗バーが表示され、他の会話に切り替えた場合は通知で完了を知らせる機能も備える。
今後はさらに計算負荷の高い機能が追加される予定で、専門家の研究開発を加速させる基盤として期待される。一部の新機能は段階的に他のプランにも展開される見込みだ。