サカナAI、NVIDIAから出資獲得|日本のAI開発に追い風

日本の生成AI開発スタートアップ「Sakana AI」は4日、米半導体大手NVIDIAから出資を受けると発表した。出資比率や金額は非公開だが、NVIDIAは主要株主になるという。

この動きは、世界的なAI開発競争が激化する中で、新興企業の囲い込みが活発化していることを示している。

Sakana AIとは?

Sakana AIは、元グーグル社員が2023年7月に東京で設立したスタートアップだ。複数のAIを組み合わせて高性能な言語・画像処理AIを生み出す技術を強みとしており、業界から高い関心を集めている。

2024年1月には、NTTグループやKDDI、ソニーグループのベンチャーキャピタルから計45億円の資金調達に成功している。

日本のAI開発に新たな展開

Sakana AIの伊藤錬最高執行責任者は「NVIDIAと提携することで、日本に世界クラスのAIリサーチラボを設立したい。日本の特性を活かした研究開発を進めていく」と述べている。

この提携により、Sakana AIは開発を加速させることができる一方、NVIDIAにとっても生成AI企業との連携を通じて、需要に即した半導体開発につながるメリットがある。

NVIDIAは生成AIに不可欠なGPUの設計・開発で世界をリードしており、2024年6月には時価総額で世界1位に躍り出た。

同社の半導体は高い画像処理性能から広く採用されているが、生成AIの普及に伴い世界的な争奪戦が起きている。

グローバルAI競争の中での日本の位置づけ

生成AIの開発競争は、マイクロソフトやグーグルなどの巨大IT企業を中心に世界中で激化している。米国ではオープンAIのChatGPTの登場以降、大手IT企業が新興AI企業への出資や買収を積極的に進めている。

日本国内でも、ソフトバンクが大規模な生成AIの開発を進めているほか、NTTやNECが企業向けサービスを開始している。

KDDIは東京大学発のスタートアップ「イライザ」を子会社化するなど、企業や研究機関での開発が活発化している。

Sakana AIへのNVIDIAの出資は、日本のAI技術が世界から注目されていることを示すとともに、グローバルな技術革新の一端を担う可能性を秘めている。

今後、日本の特性を活かしたAI開発がどのように進展し、世界市場でどのような影響を与えるか注目される。

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宇野 悠二郎
News writer

仮想通貨市場とAI技術の分析に特化したテックアナリスト。Web3やブロックチェーン技術の社会実装、生成AIの最新動向について、専門的な知見をわかりやすく解説。複数のテックメディアで連載を持つ。...

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