Metaは25日、革新的なAR(拡張現実)眼鏡「Orion」のプロトタイプを発表した。この次世代ウェアラブルデバイスは、ARテクノロジーの飛躍的な進歩を示すものだ。
Orionの革新的な技術と設計
Orionの最大の特徴は、フレーム内に搭載されたマイクロLEDプロジェクターによる70度の広視野角だ。これにより、従来のAR眼鏡を大きく上回る没入感のある体験を提供する。
Here’s a sneak peek at Meta’s new small form glasses, called Orion. They’re fully standalone and feature eye, hand, and even neural tracking. Can’t wait to try these! pic.twitter.com/gIN2NOllMW
— Nathie @ Meta Connect (@NathieVR) September 25, 2024
レンズには炭化ケイ素が採用されている。この素材は強度が高く軽量で、高い屈折率を持つため、広い視野と優れた光学性能を実現している。プロトタイプ段階ではあるが、Orionは100グラムという軽量化を達成している。
多彩な機能と操作方法
Orionの操作システムは、アイトラッキング、ハンドジェスチャー、音声コントロール、そしてEMG技術を用いた神経リストバンドによる微細な入力を組み合わせている。これにより、社会的に受け入れやすい自然な操作が可能となる。
AIとの統合も特筆すべき点だ。ユーザーの視界に視覚的なレイヤーを追加することで、Meta AIの機能を拡張。例えば、食材の認識やレシピの生成といった機能を実現している。
Orionの展望と課題
現在、Orionは一般公開されておらず、内部開発とデモンストレーション用に使用されている段階だ。製造コストは1台約10,000ドル(約150万円)と高額で、その多くは炭化ケイ素レンズに起因している。
マーク・ザッカーバーグCEOは数年以内の一般発売を見込んでおり、価格はハイエンドスマートフォン並みになると予想している。MetaはOrionを、スマートフォンに取って代わる可能性を持つ包括的なAR眼鏡への一歩と位置付けている。
Orionは印象的な技術的成果を示しているが、プロトタイプ段階であることに留意が必要だ。消費者向け製品となるまでには、さらなる改良が加えられる可能性が高い。マーク氏は発売までにさらに薄くする構想も公言した。
現時点では一般ユーザーがOrionを体験することはできないが、この技術が実用化されれば、私たちの日常生活や仕事のあり方を大きく変える可能性がある。
例えば、スマートフォンを持ち歩く必要がなくなり、AR眼鏡を通じてあらゆる情報にアクセスできるようになるかもしれない。
今後のMetaの動向と、Orionの開発進捗に注目が集まっている。AR技術の進化が、私たちの生活をどのように変革していくのか、その可能性に期待が高まっている。