中国の通信機器大手Huaweiは26日、2025年から自社開発の独自オペレーティングシステム「HarmonyOS NEXT」への完全移行することが明らかになった。
同社のスマートフォンとタブレットは、これまでAndroidをベースとしたシステムを採用してきたが、今回の決定により完全な独自路線へと舵を切ることとなる。HarmonyOS NEXTはネイティブアプリケーションのみをサポートする分散型オペレーティングシステムとして開発された。
Mate70シリーズで先行採用
新OSの搭載を皮切りに、12月4日に発売される最新フラッグシップスマートフォン「Mate70シリーズ」の予約受付がすでに開始されている。
Huawei消費者向けビジネスグループのリチャード・ユー会長は、ユーザー体験の向上に2〜3カ月を要するとしながらも、今後投入される製品への採用を確約した。
独自技術開発への強い意志
Huaweiは2019年まで、GoogleのAndroidを全面採用するパートナー企業だった。しかし米国による制裁を受け、独自版「HarmonyOS」の開発に着手。今回の完全移行は、同社の技術自立への強い決意を示すものとなった。
IDCのシニアリサーチマネージャー、ウィル・ウォン氏は「HarmonyOS NEXTは中国市場での代替システムとして大きな可能性を秘めている」と評価。その理由として、Huaweiのブランド力に加え、開発者エコシステムの構築に注力してきた実績を挙げている。
新製品ラインナップの詳細
Mate70シリーズは、標準モデル、Proモデル、Pro+モデルの3機種で構成される。標準モデルとProモデルは、ブラック・ホワイト・グリーン・パープルの4色展開で、RAM12GB、ストレージは256GB・512GB・1TBから選択可能となっている。
Pro+モデルはブラックとホワイトを基調に、ゴールドやスカイブルーのカラーバリエーションを用意。RAM16GB、ストレージは512GBまたは1TBを搭載する。
中国市場での反響が注目される中、独自OS戦略の成否は、開発者エコシステムの拡充と、ユーザー体験の向上にかかっている。日本を含むグローバル市場への展開については、各国の規制環境を見極めながら、段階的に進められる見通しだ。