Googleは14日、Kairos Powerと小型モジュール原子炉(SMR)からの電力購入に関する世界初の企業契約を締結した。
この画期的な取り組みは、AIデータセンターの電力需要に対応しつつ、24時間365日カーボンフリーエネルギーを実現することを目指している。
契約によると、Kairos Powerは一連の先進的な原子炉プラントを開発、建設、運用し、Googleのデータセンターに電力や付随サービス、環境価値を提供する。
最初の導入は2030年までに行われ、Googleの24時間カーボンフリーエネルギー目標とネットゼロ目標の達成を支援する。
AIの発展を支える新たな電力源
Googleはこの契約の重要性を2つの観点から説明している。第一に、AIテクノロジーの発展に伴う電力需要の増加に対応するため、新たな電力源が必要とされている。AIは科学の進歩や企業・顧客向けサービスの改善、国の競争力と経済成長の推進力となっている。
第二に、原子力は24時間安定して供給可能なクリーンエネルギー源であり、時間帯を問わずカーボンフリーの電力需要を満たすことができる。
この契約により、米国の電力網に最大500MWの新たな24時間カーボンフリー電力が追加される見込みだ。これにより、より多くのコミュニティがクリーンで手頃な原子力の恩恵を受けられるようになるとGoogleは期待している。
先進的なクリーンエネルギー技術の商業化と拡大
Googleのエネルギー・気候部門シニアディレクター、マイケル・テレル氏は、「この画期的な発表は、クリーンエネルギーへの移行を加速させるでしょう」と述べている。
同氏は、この契約がGoogleのネットゼロ目標と24時間カーボンフリーエネルギー目標達成に向けた取り組みの重要な一部であり、先進的なエネルギー技術の商業化と拡大を促進すると強調した。
また、米国における先進的な原子力発電の拡大は、高給で長期的な雇用を創出し、多様なコミュニティに直接的な経済効果をもたらすと期待されている。
同社のこの取り組みは、AIの発展と環境保護の両立を目指す先進的な事例として注目を集めている。今後、他の大手テクノロジー企業も同様の取り組みを検討する可能性があり、エネルギー業界と技術革新の融合がさらに進むことが予想される。