本記事では、パーレー法についてわかりやすく解説しています。
パーレー法 とは
パーレー法とは、勝ったら前回のべット額を2倍にして賭ける、ベッティングシステムの一種です。
この手法は、負けると倍賭けするマーチンゲール法に対して、「逆マーチンゲール法」と呼ばれることもあります。
勝率が約50%、配当が1:1の賭け方に適用されます。
パーレー法の利点・欠点
パーレー法の利点・欠点には、次のような点が挙げられます。
利点
- 簡単に実践可能
- 少ない資金で実践可能
- 連勝をすると短期間で利益を出せる
- 利用可能なゲームが複数ある
- 大きな損失となりにくく、低リスク
欠点
- 連勝が難しい
- 一度の負けでそれまでの利益を失う
- 止め時の判断が必要
まず、パーレー法は簡単に実践が可能です。複雑な計算や記録する手間もないため、初心者にも適しています。
勝利時に実践するパーレー法は、たとえ負けたとしても失う資金は最初のべット額のみなので、リスクは比較的低い手法です。
利益を出すにはいかに連勝するかが鍵となります。連勝すればするほど利益率が大きくなりますが、負けてしまうと連勝で得た利益をすべて失うため、止め時の判断が重要です。
パーレー法で勝てないケース
マーチンゲール法が理論上は必ず勝てるベッティングシステムであるのに対し、パーレー方は理論的にも負ける可能性があります。勝った時の利益を使って資金を増やす方法であり、連勝を前提としたシステムです。
勝ち負けを繰り返したり、連敗すると資金が減っていきます。利益を生むためには連勝が必要で、連勝時の利益率が高い手法ですが、現実的には連勝の継続は容易ではありません。
以下の表は、理論上の連勝確率を示しています。
連勝確率:
連勝回数 | 確率 |
---|---|
勝ち | 50%(勝利確率) |
2連勝 | 25% |
3連勝 | 12.5% |
4連勝 | 6.25% |
5連勝 | 3.125% |
6連勝 | 約1.563% |
7連勝 | 約0.781% |
8連勝 | 約0.391% |
9連勝 | 約0.196% |
10連勝 | 約0.0977% |
3連勝する確率は12.5%ありますが、4連勝の確率は10%を切る6.25%と、すでに連勝が困難な状態です。
1度でも負けると連勝で得た利益がすべて失われるため、連勝中にパーレー法を中止し、利益を確定することが重要となります。
パーレー法とマーチンゲール法の違い
パーレー法とマーチンゲール法の違いを以下の表にまとめています。
ベッティングシステム | 長所 | 短所 |
---|---|---|
パーレー法 |
|
|
マーチンゲール法 |
|
|
パーレー法は「逆マーチンゲール法」とも呼ばれるように、マーチンゲール法とは対極のベッティングシステムであることがわかります。
パーレー法のシミュレーション例
パーレー法のシミュレーション例を以下に示しています。
スタート時のべット額を1ドルとします。
シミュレーション例1
6連勝し、7ラウンド目で負けた場合:
ラウンド数 | べット額 | 勝敗 | 配当 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|
1 | 1ドル | 勝ち | 2ドル | 1ドル |
2 | 2ドル | 勝ち | 4ドル | 3ドル |
3 | 4ドル | 勝ち | 8ドル | 7ドル |
4 | 8ドル | 勝ち | 16ドル | 15ドル |
5 | 16ドル | 勝ち | 32ドル | 31ドル |
6 | 32ドル | 勝ち | 64ドル | 63ドル |
7 | 64ドル | 負け | 0ドル | -1ドル |
勝つと前回のべット額の2倍を賭けていくパーレー法では、短期間で大きな利益を獲得することが可能です。最初から6連勝をすると、63ドルもの利益を得られていることがわかります。
しかし、一度負けるとそれまでの利益を失います。理論上、2回に1回は負けるべットであるため、実際には6連勝する可能性は高くありません。
シミュレーション例2
勝ちと負けを繰り返す場合:
ラウンド数 | べット額 | 勝敗 | 配当 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|
1 | 1ドル | 勝ち | 2ドル | 1ドル |
2 | 2ドル | 負け | 0ドル | -1ドル |
3 | 1ドル | 勝ち | 2ドル | 0ドル |
4 | 2ドル | 負け | 0ドル | -2ドル |
5 | 1ドル | 勝ち | 2ドル | -1ドル |
6 | 2ドル | 負け | 0ドル | -3ドル |
7 | 1ドル | 勝ち | 2ドル | -2ドル |
8 | 2ドル | 勝ち | 4ドル | 0ドル |
9 | 4ドル | 勝ち | 8ドル | 4ドル |
10 | 8ドル | 負け | 0ドル | -4ドル |
勝ち負けを繰り返しているとなだらかに資金が減っていくことがわかります。
負けのあとでも一定の連勝をすると資金を取り戻すことができますが、必ずしも利益を得られるわけではありません。
パーレー法のやり方・使い方
カジノでのパーレー法のやり方・使い方を以下にご紹介します。
勝ったら次のべット額を倍にして賭け、以降連勝中は倍のべット額での賭けを継続します。
負けたら1セットが終了となり、元のべット額からスタートします。
適用可能なゲームと賭け方
パーレー法は等倍配当の賭け方に適用します。
賭け金の設定
スタート時の賭け金額を設定します。負けてもべット額を増やさないべットシステムとはいえ、負けが続くと損失となります。無理のない範囲で設定するようにしましょう。
等倍配当の賭け方に賭ける
勝率がおよそ50%、1:1配当の賭け方でべットします。
勝った場合、べット額を2倍にして賭ける
べットに勝利した場合、前回のべット額を2倍にして次のべットを行います。以降このパターンを繰り返します。
負けたらリセット
負けたら1セットが終了です。最初の賭け金額から再度スタートします。
ブラックジャックでのパーレー法の実践
ブラックジャックでのパーレー法の実践例を下記に記しています。
実践例
- 準備資金:$5000
- 最初のベット額:$10
- 3連勝で終了
- 負けたら元の賭け金額で再度開始する
ラウンド数 | べット額 | 勝敗 | 配当 | 累計損益 |
---|---|---|---|---|
1 | 10ドル | 負け | 0ドル | -10ドル |
2 | 10ドル | 負け | 0ドル | -20ドル |
3 | 10ドル | 勝ち(ブラックジャック) | 25ドル | -5ドル |
4 | 20ドルx2(ダブルダウン) | 負け | 0ドル | -45ドル |
5 | 10ドル | 負け | 0ドル | -55ドル |
6 | 10ドル | 勝ち | 20ドル | -45ドル |
7 | 20ドルx2(スプリット) | 勝ち | 80ドル | -5ドル |
8 | 40ドル | 勝ち | 80ドル | +35ドル |
実践時の注意点
ブラックジャックでパーレー法を実践する際には、以下の点に注意して下さい。
- テーブルリミット
- スプリットやダブルダウンでの勝負は慎重に
カジノではテーブルごとにべット上限額とべット下限額が設定されています。最大べット額を超えたべットはできないため、パーレー法の継続が不可能となります。
負けても比較的資金の減りが緩やかなパーレー法ですが、最初のべット額とべット額上限が近い場合、パーレー法が途中で破綻するおそれがあります。最初の設定額のバランスも含め、設定されているべット額の範囲は最初に確認しておきましょう。
また、スプリットやダブルダウンでは大きく勝つチャンスですが、同時に短時間で大きく負けるリスクもあります。スプリットやダブルダウンはタイミングを見計らい、慎重に行いましょう。
バカラでのパーレー法の実践
以下、バカラでのパーレー法の実践方法を解説しています。
バカラでは、プレイヤーかバンカーに賭ける場合にパーレー法を活用できます。
実践手順
- 最初のベット額を決める
- プレイヤーかバンカーに賭ける
- 負けたら最初のベット額で賭け、勝ったら前回のベット額の2倍を賭ける 以降繰り返す
- 連勝したら引き際を見極め、止める
バカラでは、プレイヤー、バンカーに賭けた場合に活用できます。しかし、「タイ=引き分け」の選択肢があることを忘れてはいけません。プレイヤーの勝率は45.86%、バンカーの勝率は44.62%、タイの勝率は9.52%であることからもわかるように、タイ発生確率は低くありません。
実践時の注意点
バカラでのパーレー法実践時には以下の点に注意を払って下さい。
- テーブルリミット(賭け金額の上限・下限)
- 「タイ」だと負けとなる
- コミッションに留意
通常のバカラの場合、バンカーで勝った場合は5%の手数料が発生します。そのためバンカー勝利の場合の配当は1.95倍となる点には注意です。
そのため、手数料の発生しないノーコミッションバカラの方がパーレー法の実践により適していると言えますが、バンカーに賭けて「6」で勝利した場合は50%の手数料が発生するという特別ルールがある点は覚えておきましょう。
ルーレットでのパーレー法の実践
ルーレットでパーレー法を実践する方法をご紹介します。
ルーレットにおけるパーレー法が適用できる賭け方はイーブンべットで、次の3通りがあります。
実践手順
ルーレットでは、次のベットにパーレー法を適用できます。
- 赤・黒
- 奇数・偶数
- 1~18、19~36
- 最初のベット額を決める
- イーブンべットで賭ける
- 負けたら最初のベット額で賭け、勝ったら前回のベット額の2倍を賭ける 以降繰り返す
- 連勝したら引き際を見極め、止める
実践時の注意点
パーレー法をルーレットで実践する際には以下のことに留意しましょう。
- テーブルリミット(賭け金の上限・下限額)
- 0が出た場合、いずれの賭け方も負けとなる
- アメリカンルーレットよりヨーロピアンルーレットの方が有利
他のカジノゲームと同じく、ルーレットでパーレー法を実践する際には、最初にテーブルリミットを確認しましょう。
ルーレットの「0」は、先に挙げた賭け方をカバーしません。0が出た場合はいずれのイーブンべットも「負け」となります。
また、0が1つのヨーロピアンルーレットの勝率は48.65%で、「0」「00」があるアメリカンルーレットの勝率47.37%を上回ります。
そのため、ヨーロピアンルーレットの方が有利です。
クラップスでのパーレー法の実践
クラップスでのパーレー法の実践方法は次の通りです。
実践手順
クラップスでは、以下の賭け方にパーレー法が有効です。
- パスラインべット・ドントパスべット
- カムべット・ドントカムべット
- 最初のベット額を決める
- 配当1:1の賭け方で賭ける
- 負けたら最初のベット額で賭け、勝ったら前回のベット額の2倍を賭ける 以降繰り返す
- 連勝したら引き際を見極め、止める
実践時の注意点
パーレー法をクラップスで実践する場合、次の点に気を付けましょう。
- テーブルリミット
- 他の賭け方と混同しない
テーブルリミットに留意する必要があることは他のゲームをプレイする際と同様です。
クラップスには数多くの賭け方があり、特に初心者のうちは混同しがちです。テーブルによってはプレイヤーにとって不利なサイドべットも提供されています。
間違えて他の賭け方にべットしないよう注意してください。
パーレー法のやめ時
パーレー法では連勝することにより利益がでます。
しかし、一度でも負けてしまうとそれまでで獲得した利益を失うため、連勝中に止めることが重要となります。
好調なときにゲームから降りることは容易ではないため、X連勝したらストップする、利益がXXに達したら止める、などルールを設定しておくとよいでしょう。
カジノでパーレー法を利用する前に
カジノでパーレー法を使う際には、以下の点を常に念頭におき、冷静にプレイすることが重要です。
1.思い込みを捨てる
調子がよいと連勝が続くのではないかという錯覚に陥りがちです。しかし、ずっと勝ち続けることは不可能です。
また、実際にはランダムな事象であるにもかかわらず、過去の結果が次の結果に影響を与えるように錯覚してしまうことがよくあります。これは、例えば赤が続けば次は黒が出るような気がするなどの現象のことで、ギャンブラーの誤謬(錯誤)と呼ばれます。
連勝はいつまでも続かないことを肝に銘じ、思い込みは捨ててプレイしましょう。
2.利益を追い求めすぎない
連勝を前提とするパーレー法では、必ずしも利益が獲得できるとは限りません。いくら損失のリスクが少ない方法といっても、負けが続いたり勝ち負けを繰り返すと、徐々に資金を失っていきます。
時にはきっぱりとゲームから降りる意志も必要です。
FAQ
パーレー法についてのよくある質問と回答は以下を参照して下さい。