本記事では、ブックメーカーのオッズについて包括的に解説しています。スポーツベットのオッズについて知りたい方は、下記を参照して下さい。
ブックメーカーのオッズとは
ブックメーカーのオッズは、ブックメーカーが算出した特定の結果となる確率に基づいた、べット額に対して見込まれる配当率を表したものです。
賭けに的中した際、オッズに基づいて配当が決定されます。例えばサッカーの試合で勝利するチームを予想する際、オッズが1.5であれば、賭けた金額の1.5倍が払い戻されるということです。
つまりオッズの数値は高ければ高いほどその事象が起きる確率は低いことを示し、低いほどその確率が高いことを表します。
ブックメーカーのオッズは日本の公営ギャンブルとは異なる算出方法で決定されます。
さらにブックメーカーオッズは様々な要因により常に変動し、ブックメーカーによっても異なります。
これらの特徴を理解することで、より有利に戦略的に賭けを行うことが可能となります。
ブックメーカーのオッズの決定要因
各ブックメーカーは様々な情報に基づき、オッズを決定します。主なオッズの決定要因は以下の通りです:
- 過去のデータとアルゴリズム
- 最新データ
- 専門家の意見
- 顧客の動向
- 市場の動向
過去のデータとアルゴリズム
各ブックメーカーは膨大なデータを保有しています。チームや選手の過去の成績、対戦相手との過去の勝敗結果、特定の状況下での成績などのデータを独自のアルゴリズムを用いて処理し、オッズを導き出します。
最新データ
過去のデータにはない情報、すなわち今現在の試合状況やチーム・選手のコンディション、怪我の有無、天候やスタジアムなどの試合環境なども分析対象となります。
専門家の意見
スポーツアナリストやベッティング専門家、オッズトレーダーによる分析や予想も考慮されます。
顧客の動向
顧客のべットへの集まり具合はオッズを左右します。特定のチームや選手にべットが集まると、オッズが下がる傾向にあります。過度にべットが集まるなど、大きな偏りが生じた場合、ブックメーカーは損失のリスクを軽減するため、オッズの調整を行います。
市場の動向
ブックメーカーは競合他社のオッズも考慮します。
また、ニュースやSNSでの話題性もオッズに影響を与えます。
ブックメーカー方式とパリミュチュエル方式の比較
海外ブックメーカーと日本の競馬、競輪に代表される公営競技はオッズはそれぞれ異なる方法で算出されます。
前者はブックメーカー方式、後者はパリミュチュエル方式が用いられます。
以下の比較表を御覧ください:
比較項目 | ブックメーカー方式 | パリミュチュエル方式 |
---|---|---|
オッズ確定のタイミング | べット成立時 | べット締切後 |
胴元側のリスク | あり | なし |
還元率 | 90%から97% |
|
控除率(ハウスエッジ率) | 平均5% | 20%~30% |
ブックメーカー方式では各社が保持する試合/選手情報や状況、顧客の集まり方などを様々な要素を分析し、オッズを決定します。
オッズにはあらかじめ手数料が織り込まれており、常に変動していますが、顧客が賭けた時点でのオッズが確定オッズとなります。
この仕組みにより顧客は試合終了間際までべットができ、試合中のライブベッティングも可能です。
一方のパリミュチュエル方式では、事前に発表されるオッズは予想オッズにすぎません。顧客はレース前にべットを完了させます。
胴元はレース後、集まった賭け金額から取り分を差し引き、的中者に分配します。よって、オッズはべット締め切り後に確定するという仕組みです。
胴元が確実に利益を得ることができるパリミュチュエル方式に対し、ブックメーカー方式では必ずしも利益が出るとは限らず、胴元は損失を被るリスクがあります。
還元率が高く、ライブベッティングも行えるブックメーカー方式は、プレイヤーにとってメリットの多いオッズ方式です。
ブックメーカーのオッズ 表示形式
ブックメーカーで主に用いられる表示形式は以下の3つです。
主なオッズ表示形式
デシマルオッズ
日本やヨーロッパ、カナダ、オーストラリアで一般的に用いられるオッズ表示形式です。小数点オッズやヨーロッパ式オッズと呼ばれることもあります。
デシマルオッズでは、オッズとべット額を乗算するだけで、的中時の配当金を求めることができます。
べット額xオッズ=配当金(払戻金) |
例えば、オッズが1.5の試合に100ドルを賭けた場合、100ドルx1.5=150ドルとなり、的中時の配当金は150ドルです。
デシマルオッズで計算できるのは、配当金(払戻金)であることに注目しましょう。利益額を出したい場合は、配当金から賭け金額を引いて求めます。
フラクショナルオッズ
主に英国、アイルランドで利用されています。UKオッズや英国式オッズとも呼ばれます。
フラクショナルオッズはべット額に対する利益を分数で表した表記方法です。分母はべット額を、分子は的中時の利益を表しています。
以下は、フラクショナルオッズでの、的中時の利益を求める計算式です。
(オッズの分子xべット額 )÷ オッズの分母=利益 |
例えばオッズ5/2に、100ドルを賭けた場合、(5×100)÷2=250ドルから、的中時の利益は250ドルです。これにべット額の100ドルを足した350ドルが配当金です。
アメリカンオッズ
その名の通り、主にアメリカで利用されるオッズ表示形式です。マネーラインオッズと呼ばれることもあります。
数字の前にプラスあるいはマイナス符号が付いた状態で表示されます。プラスの数字が大きいほどアンダードッグ、マイナスの数字が大きいほどフェイバリットです。
- プラスオッズ
プラスオッズは、100ドルをべットした際に得られる利益を示します。例えば、+300のオッズに100ドルを賭けた場合の利益は300ドルです。その場合、配当金は利益にべット額を足した400ドルとなります。
特定のべット額で生じる利益を知りたい場合、以下の計算式で求められます。
利益を求める計算式:
べット額xオッズ÷100=利益 |
- マイナスオッズ
マイナスオッズは、100ドルの利益を得るために必要なべット額を示します。
たとえば、オッズが-200とある場合は、100ドルの利益を得るために必要なべット額は200ドルです。
特定のべット額で生じる利益を知りたい場合、以下の計算式が成り立ちます。
利益を求める計算式:
べット額x100÷オッズ=利益 |
この場合、例えばオッズが-250のときに100ドルをべットすると、計算式(100×100)÷250=40ドルから、40ドルの利益が得られることがわかります。配当金は利益にべット額を足した140ドルです。
マイナスオッズでは、賭け金よりも利益が少なくなります。
この他にも、香港式、マレーシア式、インドネシア式などといった表示形式を提供しているブックメーカーもあります。
一般的に、ブックメーカーは市場に合わせたオッズ表示形式をデフォルトで提供しています。
例えば日本人ベッターにとっては小数点で表されるデシマルオッズが一般的なため、日本からブックメーカーにアクセスした場合、ほとんどの場合オッズはデシマルオッズで表示されています。
スポーツベットのオッズの計算式
以下、スポーツベットのオッズの計算式を解説しています。
提示オッズから、おおよその確率を出す
計算式「1÷オッズx100」から、べット対象の事象が発生するおおよその確率を出します。
例:サッカーのプレミアリーグの1×2マーケット
選択肢すべてのおおよその確率は以下の通りです:
- サウサンプトンの勝利:オッズ2.37(1÷2.37×100=42.194%)
- 引き分け:オッズ3.5(1÷3.5×100=28.571%)
- レスター・シティの勝利:オッズ2.9(1÷2.9×100=34.482%)
ブックメーカーの利益率を計算する
先程導き出した確率をすべて足します。
42.194%+28.571%+34.482%=105.247%
理論的には、確率の合計は100%になるはずですが、実際には100%以上となります。これはブックメーカーのオッズには利益(ビグ)が含まれているためです。
この場合、105.247%-100%=5.247%がブックメーカーの利益を表します。
正確な確率を出す
先程導き出したブックメーカーの利益を差し引いた、ブックメーカーが算出している正確な確率を計算します・
各選択肢のおおよその確率を105.24%で割り、100を賭けることにより算出できます。
- サウサンプトンの勝利:42.194÷105.247×100=40.09%
- 引き分け:28.571÷105.247×100=27.147%
- レスター・シティの勝利:34.482÷105.247×100=32.763%
これで、賭けの選択肢すべての正確な確率がわかりました。
選択肢 | ブックメーカーの確率 | 正確な確率 |
---|---|---|
サウサンプトンの勝利 | 42.194% | 40.09% |
引き分け | 28.571% | 27.147% |
レスター・シティの勝利 | 34.482% | 32.763% |
ブックメーカーのオッズの見方と配当金の計算
以下、ブックメーカーのオッズの見方と配当金の計算について解説しています。
オッズの見方
例:サッカープレミアリーグ ブライトン対トッテナムの試合の1x2オッズ
ブライトンが勝利(1)、引き分け(x)、トッテナムの勝利(2)に以下のようなオッズが付けられていました。
- ブライトンが勝利:2.8
- 引き分け:3.9
- トッテナムが勝利:2.28
配当金の計算例
先にご紹介したように、デシマルオッズの場合、べット額とオッズの乗算により、配当金(払戻金)の計算が行えます。
なお、利益額は配当金からべット額を引くことにより求められます。
それぞれに1万円をべットした時の計算式、的中時の配当金及び利益は以下の通りです。
予想 | 計算式 | 配当金 | 利益 |
---|---|---|---|
ブライトンの勝利 | 10,000円x2.8 | 28,000円 | 18,000円 |
引き分け | 10,000円x3.9 | 39,000円 | 29,000円 |
トッテナムの勝利 | 10,000円x2.28 | 22,800円 | 12,800円 |
賭けたいオッズをクリックすると、べットスリップが表示されます。べット額を入力すると、自動的に計算がされ、配当金が表示されます。
ブックメーカーのオッズ 比較方法
以下、ブックメーカーのオッズの比較方法についてまとめています。
例:大リーグ(MBA)、ロサンジェルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスの対戦の勝者マーケット
- スポーツベットアイオー
- ボンズカジノ
- bet365
勝者予想 | スポーツベットアイオー | ボンズカジノ | bet365 |
---|---|---|---|
ロサンジェルス・ドジャースの勝利 | 1.7 | 1.66 | 1.71 |
サンディエゴ・パドレスの勝利 | 2.18 | 2.13 | 2.2 |
3社のオッズを比較した結果、以下のことがわかります。
オッズの差は、数値でみるとわずかに感じられますが、べット額が大きくなるとその差が顕著になります。また、有利なオッズに賭け続けることは、長期的に大きな利益の差を生み出す可能性があります。
オッズは高ければ高いほど、的中時の配当金が大きくなり、より大きな利益が得られます。
ブックメーカーやオッズプロバイダーにより異なるオッズが提供されているため、ブックメーカーを比較し、高オッズを見つけましょう。
オッズは変動するため、すばやく同時に複数のブックメーカーを比較することが大切です。
ブックメーカーのオッズ 比較に役立つツール
効率的にオッズを比較するには、以下のようなツールの利用も有用です。
- オッズ比較サイト
- オッズチェッカー
無料で利用できるオッズ比較サイトも数多くあり、時間の節約にもなります。
また、オッズチェッカーでは、さらに詳細なオッズ情報を入手できます。これらは、主にアービトラージの機会やバリューオッズを見つけることに特化しており、多くは有料です。
オッズ比較サイト
オッズ比較サイトの主な例:
- Oddschecker
- Odds Portal
- Odds Explorer
- Oddspedia
- Betmonitor
- OddsSafari
- Easy Odds
- Betbrain など
オッズチェッカー
オッズチェッカーの主な例:
- OddsJam
- OddsBoom
- BetBurger
- RebelBetting
- BetOnValue など
ブックメーカーでオッズを高める方法
ブックメーカーでオッズを高めるには、次のような方法が利用できます。
- オッズ増強機能
- オッズ増強オファー
一部のブックメーカーは、競合他社との差別化を図るため、通常よりも有利なオッズで賭けるチャンスを提供しています。
オッズ増強機能
ベッター自身がオッズを高めることができる機能です。多くのマーケットが対象。可能な利用頻度や利用条件はブックメーカーにより異なります。
オッズ増強オファー
ブックメーカー側の利益が含まれないなど、通常よりも高いオッズで提供されるべットのオファーです。注目マーケットで提供されることも多いオファーです。
ブックメーカーによっては、複数のべットの組み合わせで
バリューべットに加え、このような機能やオファーの有無も確認し、有利にべットを行いましょう。
バリューベッティング戦略 とは
バリューベッティングとは、スポーツベットの戦略のひとつで、ブックメーカーが提供するオッズよりも、特定の結果が発生する確率が高いと考えられるべットを見つけて賭ける戦略です。
言い換えると、ブックメーカーが、ある結果が生じる可能性を低く見積もっていると思われるオッズに賭けることです。
ブックメーカーは膨大なデータや情報に基づいてオッズを設定しますが、完璧な確率を出すことは不可能です。バリューベッティングはそんなブックメーカーの誤算を突く手法といえるでしょう。
バリューベッティングの場合、ベッターは過去のデータや試合状況を分析を行う必要があります。
同じくスポーツべット戦略としてよく知られているアービトラージとよく比較されますが、アービトラージはブックメーカー間のオッズの差を利用して利益を出す方法であり、オッズの数値だけに着目すれば行え、競技に詳しくなくても実行可能です。
また、見つけると確実に利益となるアービトラージと異なり、バリューベッティングは負けるリスクがあります。
バリューベッティングの利点・欠点
バリューベッティングの利点・欠点には、次のような点が挙げられます。
利点
- 長期的な利益を生む可能性を高める
- 理論的なべットであり、運任せではないべット戦略
- べット規制やアカウント停止のリスクが少ない
欠点
- べットに負けるリスクがある
- 情報収集やべットの分析に時間がかかる
バリューベッティングとアービトラージの比較
以下、バリューベッティングとアービトラージを比較しています。
特徴 | バリューベッティング | アービトラージ |
---|---|---|
目的 | 長期的に安定的な利益を生むこと | 短期的な利益を生むこと |
べット方法 | 基本的にひとつのブックメーカーにおいて賭ける | 複数のブックメーカーで賭けることで成り立つ |
損失を生むリスク | あり | なし |
必要スキル | 競技に関する知識と統計的な分析力、確率論 | 計算力、迅速にオッズを比較する能力 |
ブックメーカーからのペナルティを受けるリスク | 一般的にはなし | あり |
アービトラージは、ブックメーカー間で提供される異なるオッズを利用し、どのような結果になっても必ず利益となる組み合わせの賭けを行うことです。
アービトラージは、一部のブックメーカーを除いては、歓迎されない戦略です。アカウント閉鎖やべット制限が行われるリスクがあるため、利用には注意が必要です。
一方のバリューベッティングにおいては、不正行為や異常なベッティングパターンなどを行わない限りは、一般的にはペナルティのリスクは低い戦略です。
しかし、バリューベッティングは継続的に実践することで、長期的な利益を出すチャンスを高めることができます。運任せのべットとは異なり、自分のスキルや知識を活用して勝率を高めることができるバリューベッティングは、スポーツベットの醍醐味を味わえるべット戦略です。
バリューベッティングのコツ
以下ではバリューベッティングを実践するコツを挙げています。
FAQ
ブックメーカー オッズについてのよくある質問と答えは以下を参照して下さい。