本記事では、ブックメーカーの違法・合法性の論点についてわかりやすく解説しています。スポーツベットの違法・合法論については、以下のガイドを参考にして下さい。
ブックメーカーは違法?
オンラインギャンブルのライセンス発行機関から認可を受けている限り、ブックメーカーは違法ではありません。
その一方で、オンラインギャンブルが規制されていない地域では、ライセンスの有無に関わらず、違法とみなされるのが一般的です。
仮想通貨に特化したブックメーカーを除いて、ライセンスを取得していないブックメーカーは全て違法になります。
スポーツベットは違法?
ライセンスを取得した海外ブックメーカーのスポーツベットは、合法的に提供されています。
しかしながら、日本では、刑法第185条・196条により、スポーツベットを含む、ギャンブルは法に触れる行為です。
刑法第185条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
刑法第196条第1項
常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
国内では、ブックメーカーを利用したスポーツベットは、違法賭博と解釈されます。
例外として、公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)およびスポーツ振興くじは、以下の特別条令により認可されています。
競馬法第1
馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬
競馬法第1条2
日本中央競馬会又は都道府県は、この法律により、競馬を行うことができる。
スポーツ振興投票の実施等に関する法律第63号第1条
スポーツの振興のために必要な資金を得るため、スポーツ振興投票の実施等に関する事項を定め、もってスポーツの振興に寄与すること
スポーツ振興投票の実施等に関する法律第63号第3条
日本体育・学校健康センターは、この法律で定めるところにより、スポーツ振興投票を行うことができる。
日本では、公営ギャンブルおよびスポーツくじ(Toto)は、公益事業として、唯一公認のスポーツベットです。
国内においては、公営事業のスポーツベット以外は、すべて違法になります。
ブックメーカーが日本で違法な理由
日本でブックメーカーが違法なのは、刑法第186条の賭博場開張図利罪が適用されるからです。
国内では、ブックメーカーの運営は認可されていません。
刑法第186条第2項
賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
そのため、国内に拠点を置く、ブックメーカーは全て違法業者となります。
ブックメーカーが違法になったのはいつから?
日本では、明治40年に賭博場開張図利罪が成立して以来、賭博事業は違法とされています。
そのため、ブックメーカーが登場した当初から違法であることになるでしょう。
2022年10月より、警視庁および消費者庁は、スポーツベットが賭博罪にあたる旨を以下のように断言しています。
この注意喚起では、ブックメーカーについては直接触れられていませんが、オンラインカジノと同様、オンラインギャンブルの運営元として解釈されます。
ブックメーカーは違法と弁護士が判断する理由
ブックメーカーは違法と弁護士が判断する理由には以下が考えられます。
1.日本の刑法の有効性
日本から海外ブックメーカーを利用した場合、国内の刑法が有効であると解釈されます。
海外ブックメーカーが合法性を保持している場合でも、国内の利用者には、日本の法律が適用されるため、賭博罪が成立すると判断されます。
2.過去の判例
ブックメーカーの利用による逮捕事例はありませんが、オンラインカジノに関する過去の裁判事例から、同様の扱いと解釈されます。
ブックメーカーの提供するスポーツベットは、オンラインカジノと同様、オンラインギャンブルに分類されます。
オンラインカジノ利用者の有罪判決の判例を用いれば、ブックメーカーにも同じ要因が当てはまります。
ブックメーカーの違法・合法性の判断基準
ブックメーカーの違法・合法性の判断には、以下の基準が用いられます。
- 公式ライセンスを取得していること
- 該当国の法規制に追従していること
一般的には、規制市場においては、公式ライセンスを受けたブックメーカーは合法性を保っています。
その一方で、非規制市場では、該当国の法律が優先されます。
そのため、ライセンス済みのブックメーカーでも、非規制市場では合法性が認められません。
日本は非規制市場のため、国内の法律に従い、ライセンスの有無に関わらず、ブックメーカーは全て違法と判断されます。
違法 ブックメーカーを利用する危険性
違法 ブックメーカーを利用する危険性には、以下が挙げられます。:
- 個人情報漏洩
- 詐欺やイカサマ
- 出金拒否
- 資金喪失
- 犯罪に巻き込まれる
- 該当国の賭博罪を犯す
ライセンスされていないブックメーカーでは、詐欺やイカサマ、情報漏洩、出金トラブルなどに遭遇するリスクが高まります。
ブックメーカーを利用する前に、ライセンスや運営元の確認を怠らないようにしましょう。
ブックメーカーの合法・違法性議論のまとめ
ブックメーカーの合法・違法性についての議論は、以下の点に集約されます。
- 国内の賭博罪・賭博場開張図利罪の成立
- 国内でのオンラインカジノの違法性は、ブックメーカーにも当てはまる
海外では合法のブックメーカーであっても、日本においては、刑法が適用される点は否めません。
その一方で、賭博罪・賭博場開張図利罪は明治時代に施行され、インターネットやオンラインギャンブルを想定したものではありません。
現実的な問題として、海外企業が合法的に運営する、オンラインギャンブルを制御することは非常に困難な状況です。
警視庁および消費庁は、オンラインギャンブルを止めさせるよう、国民に注意を促していますが、依然として具体的な法整備は進んでいません。
近年、スポーツ産業の振興や財源確保のために、国内でのスポーツベットの合法化を提案する声も聞かれます。
とはいえ、合法化のためには、依存症対策やマネーロンダリングなどの犯罪対策など解決すべき課題が多く残されています。
FAQ
ブックメーカー 違法についてのよくある質問と回答は以下を参照して下さい。