本記事では、ブックメーカーのアービトラージについてわかりやすく解説しています。アービトラージについて知りたい方は、下記を参考にして下さい。
ブックメーカーのアービトラージ とは
ブックメーカーでのアービトラージ(シュアべット、両建て)とは、2社のブックメーカーのオッズの不均衡を利用して、利益を保証する賭け戦略です。
つまり、同一のイベントの結果が2択の場合に、両方に賭けて、どちらに転んでも利益が出るように図ります。
これは、確実に利益を出せる、リスクフリーな賭け手法である反面、アービトラージに有効なオッズを見つけて、賭け金額を適切に配分する必要があります。
アービトラージはブックメーカーにとっては営利上のリスクとなるため、禁止されていることも少なくありません。
ブックメーカーでのアービトラージの具体例
以下に、ブックメーカーでのアービトラージの具体例を示しています。
アービトラージ(両建て)の具体例
チームAとチームBのテニスの試合でアービトラージを利用する場合
勝者マーケットで、あるブックメーカーはチームAの勝利にオッズ1.9を提供しています。もう一方のブックメーカーではチームBの勝利に2.9を提供しています。
チームAの勝利(オッズ1.9)に60ドルを、チームBの勝利(オッズ2.9)に40ドルを賭けます。
- チームAが勝った場合の配当:1.9x60=114ドル
- チームBが勝った場合の配当:2.9 X 40=116ドル
合計べット額(つまりアービトラージのために支出した金額)は100ドルであるため、チームA勝利の場合は114-100=14ドルの利益、チームB勝利の場合は116-100=16ドルの利益を得たということになります。
ブックメーカーでアービトラージを使うメリット
ブックメーカーでアービトラージを使うメリットは主に次の2点です。:
- 理論上必ず勝てる
- 事前の予想分析が無くても実践できる
アービトラージは、同じイベントで相反する結果の両方に賭けるため、必ず勝てます。
片方が外れても、もう一方で勝てる、この戦略では、事前に予想分析を入念に行う必要も無くなります。
本来、スポーツベットの的中率を高めるためには、過去の戦績、チームや選手の最新情報、天候や現在の状況等の事前調査・分析を行う必要があります。
しかし、アービトラージを実行する場合、これらの入念な予想分析は必要ありません。
ブックメーカーでアービトラージを行う際のリスク
専門的な知識がなくても必ず利益が出るというメリットのあるアービトラージですが、当然リスクも存在します。
1.ペナルティのリスク
アービトラージは、まさに「必ず勝てる」べットであるゆえ、原則、ブックメーカーでは歓迎されていません。
アービトラージを利用可能と公言するピナクルのようなブックメーカーも一部ありますが、そのようなブックメーカーを見つけることは至難の業です。
たとえアービトラージの禁止が規約に明記されていなくても、アービトラージが不正行為に当たるかどうかの判断はブックメーカーの裁量によるものであり、不正行為と見なされると以下のようなペナルティが課されるリスクがあります。
- べット規制
- べットや出金がキャンセルされる可能性
- アカウントの凍結
ブックメーカーでは、賭けられる最大べット額が設定されており、アービトラージを行う際には常に注意する必要があります。
しかし、アービトラージを行って発覚した場合、ベット額規制がアカウントに適用され、さらに低い最大べット額を設定される可能性があります。
また、アービトラージの実践が発覚した場合、べットそのものがキャンセルされたり、出金拒否となる可能性も考えられます。
最悪の場合、アカウントの凍結が行われるリスクもあることは念頭においておきましょう。
2.オッズの変動やシステムエラーなどのリスク
ブックメーカーからのペナルティのリスクを除くと、理論上はリスクフリーで利益を得られるアービトラージですが、オッズの変動やシステムエラーといったリスクは常に存在します。
オッズが変動するとアービトラージが成立しなくなる可能性があり、システムエラーが発生するとべットそのものが実行されない可能性があります。
3.時間と労力を費やすリスク
さらに、複数のブックメーカーのオッズを確認する必要のあるアービトラージには、時間も労力も必要です。実際、アービトラージが成立するオッズを見つけることは難しいと言わざるを得ません。
その手間の割には利益率は低く、大きく勝てるという方法ではありません。
少しの利益のために貴重な時間を失うことは、ある意味リスクのひとつと言えるでしょう。
ブックメーカーでのアービトラージの実践方法
ブックメーカーに登錄・入金する
アービトラージが有効なべットを探す
アービトラージに適したべットを探します。複数のブックメーカーで同じマーケットのオッズを比較し、アービトラージが成り立つべットを探します。アービトラージ発見ツールの利用も有用です。
また、アービトラージ計算機を使うと、べットがアービトラージに有効かどうかを確認でき、さらにべット額の分配が自動計算されます。
例:アービトラージ計算機の使い方
Aオッズが2.9、Bオッズが1.5の場合⇒アービトラージが成立
Aオッズが2.9、Bオッズが1.6 の場合⇒アービトラージが不成立
僅かなオッズの差が成立するか成立しないかが分かれます。
べットを行う
べットを選択したら、両ブックメーカーでべットスリップを開き、素早く賭けます。オッズは頻繁に変動します。タイミングを逃さないようにしましょう。
配当金がアカウントに入る
2つのべットのうち、どちらかが的中し、配当金がアカウントに反映されます。
ブックメーカーでアービトラージがバレる理由
ブックメーカーでアービトラージがバレる理由として、下記が考えられます。
- 疑われるべット行動
- 勝ちすぎている/勝ちパターンが疑わしい
- 残高に安定した資金を維持している
一部のブックメーカーを除いて、ブックメーカーはアービトラージベッティングを歓迎していません。
ブックメーカーの利益に影響を与えることはもちろんですが、アービトラージはオッズのバランスを崩す要因にもなるため、ブックメーカーの経営に潜在的なリスクを与えます。
そのため、ほとんどのブックメーカーではアービトラージの検知に注力を注いでいます。
1.疑われるべット行動
ブックメーカーは顧客のべット行動を常に監視しています。アービトラージが疑われる怪しいべット行動には例えば次のようなものがあります。
- 高額べットを行う
- 急にべット額を上げる
- あまり知られていないスポーツや賭け方に賭ける
- 普段賭けないスポーツに賭ける
ブックメーカーから疑われるベッティング行動はたくさんありますが、実際には上記に挙げた行動をいくつか同時に行うこともあり、よりバレやすくなります。
例えば、あまり知られていないスポーツに急に多額のべットを賭けるなどの行為は間違いなく「怪しい」べット行動だと見なされるでしょう。
2.勝ちすぎている/勝ちパターンが疑わしい
勝ちすぎているベッターは真っ先にブックメーカーの注意を引きます。さらに継続して勝つことも注目を浴びます。
3.残高に安定した資金を維持している
アービトラージは迅速なべットが成功のキーとなるベッティング手法です。そのため、アカウント残高には常にある程度の金額を維持している必要があり、ブックメーカーはそのようなアカウントを見逃しません。
複数のブックメーカーで行うアービトラージベッティングがなぜブックメーカー側にバレるのか疑問に思うかもしれません。
ブックメーカーは顧客のべットパターンや入出金パターンに関する膨大なデータを保持し、高機能な監視システムが導入されています。
ベッターの行動は私達が思うよりもずっと深く分析されていると考えていいでしょう。
アービトラージ ベッティングのヒント
アービトラージを成功させるためにはいくつかのコツがあります。
ブックメーカーのアービトラージ ツールの種類
ブックメーカーでのアービトラージベッティングに役立つツールがあります。
1.アービトラージ発見ツール
アービトラージに適したオッズとべット額を素早く知ることができるツールです。
自分でひとつひとつのブックメーカーをチェックする手間を最小限に抑えたいという方に適しています。
主なアービトラージ発見ツール:
- BetBurger
- OddsJam
- BetOnValue
- RebelBetting など
2.アービトラージ計算表
オッズとベット額を入力することにより、潜在的な配当金と利益がわかるツールです。あなたのべットがアービトラージに適しているかどうかのチェックが行えます。
ピナクルのアービトラージ計算表:
3.オッズ比較サイト
複数のブックメーカーの同一マーケットのオッズを一目で確認ができる比較サイトです。
これらのツールを組み合わせて利用することにより、より効率的なアービトラージべットが可能になります。
主なオッズ比較サイト:
- Odds Scanner
- Odds Checker
- OddsPortal など
アービトラージをブックメーカーで利用する際の注意点
確実に利益が出るというアービトラージは一見、理想的なベッティング手法であるように思えます。
しかし、ブックメーカーから規制やペナルティを受けるリスクや、実際に複数のブックメーカーを比較し、アービトラージが有効なオッズを見つけるには手間も時間もかかります。
これらのことを踏まえ、アービトラージを実践する際には次のことにも十分に注意を払う必要があります。
1. 複数のブックメーカーでの資金管理が必須
アービトラージには、複数のブックメーカーへの登錄と入金が必要です。ひとつのブックメーカーを利用するより、資金管理がさらに難しくなることは想像に難くありません。
どのブックメーカーにどれだけ入金したのか、どれだけ費やして利益がでたのか、あるいは損失となったのかを常に把握し続ける几帳面さが必要となります。
2. 本来のスポーツベットの楽しみを忘れないこと
スポーツ自体の深い知識、情報やデータの分析が必要ないアービトラージは、簡単に実践ができる一方、スポーツベット本来の意味に即した賭け方ではありません。
ブックメーカーは大人の娯楽として楽しむためのものです。稼ぐための手段にすべきではありません。
いつ何時も、スポーツベットを楽しむという感覚を忘れないようにしてください。
FAQ
ブックメーカー アービトラージについてのよくある質問と答えは以下を参照して下さい。