暗号資産(仮想通貨)のイーサリアム(ETH)は7日、約9ヶ月ぶりに1ETH=4000ドルを突破した。同トークンの価格は、過去1ヶ月で32%の上昇を見せている。
この上昇の背景としては、仮想通貨市場全体の活況やイーサリアムの現物上場投資信託(ETF)の資金流入量の増加などが要因として考えられている。
もっとも時価総額が高い仮想通貨ビットコイン(BTC)は、長らく意識されてきた1BTC=10万ドルを突破している。
2000ドルまで下落
同トークン価格は2024年3月、2021年11月に記録した最高値1ETH=4891ドルに迫る展開を見せた。
また、米国証券取引委員会(SEC)は2024年5月、同トークンの現物ETFを承認した。ETF発行会社には、執筆時点でブラックロックやグレースケールなど大手資産運用会社も含まれている。
しかし、ステーキング報酬が獲得できないことなどを理由にETF需要が伸び悩み、1ETH=2000ドル代まで下落を見せている。
さらに、ソラナ(SOL)やスイ(SUI)など他エコシステムの発展により、イーサリアムエコシステムからの資金流出が加速していた。
トランプ氏が大統領選に勝利
最近は、「仮想通貨推奨派」として知られるドナルド・トランプ氏が米大統領選に勝利したことで、仮想通貨市場全体が回復基調を見せている。
BTC、SOL、バイナンスコイン(BNB)など主要な仮想通貨においても、史上最高値の更新を継続している。
その中で同トークンも徐々に上昇基調を強めており、投資家の関心を再び集めている。
12月5日には、イーサリアム現物ETFへの純流入額が過去最高値の4億2800万ドルを記録。ブロックチェーン上のアクティブアドレス数やデリバティブ市場でのロングポジションも増加している。
また、非代替性トークン(NFT)市場も回復を見せており、過去1ヶ月間の取引量は6億9700万ドル(+13%)となっている。
ただし、このような上昇に対して一部の専門家は、急激な上昇は調整を伴うリスクもあり、引き続き注意が必要という声もある。