米大手ゲーム会社のEpic Games(エピックゲームズ)は1日、シアトルで開催されたUnreal Fest 2024の基調講演で、ゲーム開発者向けの新たな施策を発表した。
同社が提供するゲーム開発ツール「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を使用する開発者の収益性向上と、開発ツールの強化が主な内容だ。
「Launch Everywhere with Epic」プログラムの導入
2025年1月1日から開始される「Launch Everywhere with Epic」プログラムは、Epic Games Storeで公開される対象ゲームのロイヤリティ率(開発者がEpic Gamesに支払う使用料)を5%から3.5%に引き下げる。これは、PCやMac、Android、将来的にはiOSプラットフォームに対応するゲームが対象となる。
このプログラムの適用条件は、Epic Games Storeで他のストアと同時または先行してゲームをリリースすることだ。ロイヤリティ率の引き下げは、PlayStationやXboxなどのゲーム機を含むすべてのプラットフォームとストアに適用される。
Unreal Engine 5.5プレビュー1の公開
Epic Gamesは、Unreal Engine 5.5のプレビュー版を公開した。
新機能の「MegaLights」は、これまでよりも桁違いに多くの動的な光源を使用できるようになり、リアルな影や体積フォグ(霧のような効果)の照明が可能になる。これにより、よりリアルで没入感のある3D環境を作成できるようになった。
また、アニメーション制作ツールの改良や、映画やドラマの撮影で使用されるバーチャルプロダクション用ツールの強化も行われた。モバイルゲーム開発のサポートも強化され、デバイスごとの視覚効果を確認できる「Mobile Preview」機能が追加された。
Fabパブリッシングポータルの一般公開
Epic Gamesは、デジタルアセット(3Dモデルやテクスチャなどの素材)のマーケットプレイス「Fab」を10月中旬にローンチする予定だ。
Fabは、Unreal Engine Marketplace、Sketchfabストア、ArtStationマーケットプレイス、Quixel.comを統合し、88/12の収益分配率(クリエイターが88%、Epic Gamesが12%)でクリエイターを支援する。
これらの発表は、ゲーム開発者の収益性向上と、より高品質なコンテンツ制作を支援することを目的としている。
Epic Gamesは、開発者とクリエイターのエコシステム(相互に関連し合う環境)を強化し、エンターテインメントやインタラクティブ体験の未来を共に構築することを目指している。
来年のUnreal Festは、2025年6月2日から5日にかけてフロリダ州オーランドで開催される予定だ。