テスラCEOのイーロン・マスク氏が、米ドルの崩壊を示唆しつつ、暗号資産(仮想通貨)の可能性を認める注目の発言をしました。
7月28日のインタビューで、マスク氏は特にミーム系コイン(ジョークコイン)を好むとしながらも、ビットコイン(BTC)やその他の仮想通貨にも価値があると述べました。
ビットコインには確かに価値があると思います。他の仮想通貨にもあるかもしれません。[…] 犬とミームが好きなので、個人的にはドージコインに愛着があります。
この発言は、マスク氏が最近行った米ドルの状況に関する警告に続くものです。7月22日のツイートで、彼は「ドル価値の破壊はどこまで進んでいるのでしょうか?」と問いかけ、上記のミーム画像を投稿しました。別のツイートでは、端的に次のように述べています。
ちなみにアメリカは破産しつつあります。
米国の公共討論で注目される仮想通貨
仮想通貨は突如として米国の公共討論の中心に躍り出ました。これは主に、共和党の大統領候補ドナルド・J・トランプ氏が仮想通貨分野を支持し、積極的に関与していることが大きな要因です。マスク氏はトランプ氏の仮想通貨に関する意見の多くを共有しているように見えますが、5月下旬に興味深いツイートを投稿しています。
トランプ氏と仮想通貨について話し合ったことはないと思います。ただ、私は一般的に政府から人々に力をシフトさせるものを支持しており、仮想通貨にはその力があります。
イーロン・マスク氏は、以前に自動車メーカーのテスラがビットコインでの支払いを受け入れると発表したことで、仮想通貨界で一躍注目を集めました。その後、環境への影響を懸念する評価機関からの圧力により、テスラはビットコイン関連の計画を撤回したとされています。しかし、テスラは2022年に保有ビットコインの大部分を売却した後も、15億ドル相当の投資の25%を依然として保有し続けています。
一方で、マスク氏の影響力の大きさゆえに、彼の名前を騙った仮想通貨詐欺が横行しています。ReadWriteの最近の報道によると、イーロン・マスク氏のディープフェイク(AI技術を用いた偽の映像)を使用した5時間のYouTubeライブ配信で仮想通貨詐欺が宣伝され、同様の詐欺的な配信が後を絶たない状況が続いています。
この一連の出来事は、仮想通貨が単なる投機の対象ではなく、既存の金融システムに大きな変革をもたらす可能性を秘めていることを示唆しています。マスク氏の発言は、テクノロジーと金融の未来に関する重要な議論を促すきっかけとなるでしょう。