DMMグループの株式会社Algomaticは4日、AI音声生成プラットフォーム「にじボイス」の正式版をリリースした。月額490円からの課金プランを導入し、音声クリエイターへの収益還元を開始する。
ベータ版での実績と新機能の実装
2024年11月にベータ版として公開された同プラットフォームは、文字数制限140字の制約がある中で約1カ月間に累計3000万文字の音声を生成した。企業からのAPI利用や事業提携の問い合わせも200社を超えている。
正式版では選択可能なキャラクターが100体に拡充された。新たにログイン機能を実装し、過去の生成履歴の保存が可能になった。これにより、ユーザーごとの音声生成精度の向上と最適化を実現する。
収益還元型モデルの確立
月額プランは、1000文字までを無料とし、それ以上の利用は月額490円から提供する。この収益の一部は音声提供者であるボイスパートナーに還元される仕組みを採用した。
ボイスパートナー第1期生の選抜オーディションも開始する。声の表現活動経験者や朗読、ナレーション、アフレコの経験者が対象となる。選抜されたパートナーは3から8時間のコーパス収録に協力し、音声生成回数に応じたロイヤリティを受け取る。
今後の展開と市場への影響
年内にはAPI公開を予定しており、さまざまな分野での活用促進を目指す。表現に関するフィルター機能も追加実装する予定だ。
Algomatic Global カンパニーCEOの原田祐二執行役員は「日本のコンテンツは世界で勝負できるポテンシャルを秘めている」と述べ、AIを活用したコンテンツのグローバル展開に注力する意向を示した。
DMMグループのAI戦略の一環として展開される同サービスは、声の権利保護を重視しながら、AIによる音声生成技術の可能性を追求している。日本のデジタルコンテンツ市場に新たな収益モデルを提示し、個人クリエイターは自身の声の価値を守りながら、収益化の機会を得られる。