仮想通貨リップル(XRP)とは?特徴・仕組み・課題を解説

2013年の発行開始から、市場で注目を集め続けている暗号資産(仮想通貨)であるリップル(XRP)。時価総額ランキングでも上位に位置しており、高い人気を誇っています。国際送金の革新や金融機関との連携などでも話題を呼び、投資の際に候補となる仮想通貨のひとつです。

本記事では、仮想通貨リップル(XRP)の特徴や仕組み、発行枚数などを詳しく解説します。「リップルについて詳しく知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

仮想通貨リップル(XRP)とは

リップルとチャート背景

仮想通貨リップル(XRP)とは、国際送金システムを効率化する暗号資産(仮想通貨)です。アメリカを拠点とするリップル社によって開発され、独自の分散型プロトコル上で機能しています。

リップルは、非中央集権型の仮想通貨ビットコイン(BTC)とは設計が異なります。例えば、処理能力の高さが違いのひとつです。価格予想が注目されているビットコインより送金速度に優れており、大量の取引を迅速かつ低コストで処理したい金融機関から支持されています。

リップルはDMMビットコインをはじめとする世界中の多くの仮想通貨取引所で取引されており、投資家やトレーダーの間でも人気が高まっています。その利便性と効率性の高さから、リップルは仮想通貨業界において重要な役割を果たし続けているのです。

仮想通貨リップル(XRP)の歴史

仮想通貨リップル(XRP)の歴史で知っておくべきポイントを解説します。

  1. 2004年:リップルの基礎が生まれる

    プログラマーであるライアン・フッガー氏が、中央集権的な金融システムに代わる、民主的で効率的な通貨ネットワークアイデアとなるホワイトペーパーを発表。
  2. 2012年:分散型台帳「XRP Ledger」の前身の開発がスタート

    支払い時のセキュリティ問題を解決するべく「RCL(Ripple Consensus Ledger)」の開発が始まる。
  3. 2015年:バージョンアップの構想を発表

    XRP Ledgerに直接、仮想通貨や法定通貨を送金できるシステムを接続する考えを示す。
  4. 2016年:SBI Ripple Asia株式会社を設立

    仮想通貨技術を用いた新たな決済基盤を日本やアジア地域で展開するべくSBIホールディングスとリップル社が共同で設立。
  5. 2020年:アメリカ最大級の資産と店舗数をもつ銀行がリップルに参画

    世界有数の金融機関バンク・オブ・アメリカが正式に参加を表明。
  6. 2022年:メタバースプロジェクトとの提携

    メタバース「Futureverse」内でNFTを作成、売買できるプロジェクト「FLUF World」と提携を発表。

2013年には、処理用のプロトコルとして「Ripple Transaction Protocol(RTXP)」をリリースしました。現在のリップルネットワークの基礎とも言われており、現在も勢力的に開発が進められています。

仮想通貨リップル(XRP)の仕組み

3枚のリップル

仮想通貨リップルでは、独自の承認システム「プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof-of-Consensus/PoC)」を採用。サーバーがリップルに関連するすべての取引データを処理し、Validatorと呼ばれる承認者がその取引の正当性を確認しています。

このシステムの特徴は、以下のとおりです。

  • 常にネットワークの安全性を確保
  • シンプルで低コストな運用が可能
  • Validatorの80%以上が正当と判断した場合のみ取引が成立

一方で、ビットコインなどの仮想通貨には、プルーフ・オブ・ワーク(Proof-of-Work/PoW)が採用されています。このシステムの場合、コンピューターに膨大なデータ処理(マイニング)やエネルギーを消費しなければなりません。

しかし、リップルの承認システムが普及すれば、コストを抑えた運用を実現できます。現在の金融システムに近い構造のため、仮想通貨業界の新しい未来を形作る仕組みとなるかもしれないのです。

仮想通貨リップル(XRP)の特徴

水色のリップルマーク

仮想通貨リップル(XRP)の特徴は、以下の4つです。

  • 取引処理が高速である
  • 取引コストが安い
  • 金融機関と提携している
  • 発行枚数を制限している

それぞれ解説していきます。

取引処理が高速である

仮想通貨リップルの特徴は、数秒で完了する取引速度の速さです。国際送金や決済サービスに適しており、従来の数日かかっていた送金手続きを大幅に改善しています。

ビットコインとリップルの送金スピードを比較した例は、以下のとおり。

  • ビットコイン:10分程度
  • リップル:3秒程度

上記の違いは、リップルがコンセンサスアルゴリズムRPCA(Ripple Protocol Consensus Algorithm)を採用しているため、短時間の手続きを可能にしているのです。

取引コストが安い

仮想通貨リップル(XRP)の手数料は、わずか0.00001XRPと非常に低額です。従来の国際送金では、SWIFTルールに則って手続きするため、銀行手数料や仲介手数料など様々な費用が発生していました。

しかし、リップルのシステムを利用することで、日本やアメリカを含む世界中の金融機関が、ブリッジ役として仮想通貨リップルを活用できるようになるのです。中継銀行を介さず、送金元と送金先で直接取引できるようになるので「日本円→リップル→ドル」というシンプルで低コストな送金が行えます。

金融機関と提携している

仮想通貨リップル(XRP)は、世界中の金融機関から注目を集めています。実際に、リップル社が提供する国際送金ネットワーク「RippleNet」には、世界45カ国以上で300以上の金融機関が参加。

リップル社と統合している日本の金融機関は、以下のとおりです。

  • みずほ銀行
  • 三菱UFJ銀行
  • SBIホールディングス

統合企業には上記であげた有力な金融機関が多く、その将来性に期待が寄せられています。

また、一般的な仮想通貨取引よりも送金が高速で、金融機関と同等レベルの信頼性を確保できるため、リップルでは借用書や約束手形のような機能「IOU取引」を採用。これもまた、金融機関との統合を後押ししています。

発行枚数を制限している

仮想通貨リップル(XRP)は、発行枚数は1,000億枚に制限しています。2005年に全ての発行を完了し、新規発行は行われていません。

発行枚数を制限するメリットは、以下のとおりです。

  • 価格の安定化につながる
  • 需要が増えれば価値も上昇しやすい
  • 需要と供給のバランスが明確になり自然と価値が高まりやすい

2100枚の発行枚数に設定しているビットコインとは異なり、マイニングによって市場に流通させるのではなく、利用されるたびに少しずつ消滅する仕組みとなっています。

メタバース関連の仮想通貨であるイーサリアムのように発行枚数を無制限にすると、インフレにつながる可能性があります。しかし、リップルの発行枚数を制限して、リスクを軽減しているのです。

仮想通貨リップル(XRP)の将来性

キーボードの上に置かれたイーサリアムとリップル

仮想通貨リップル(XRP)の将来性に関して、注目すべきポイントは以下の5つです。

  • アジア市場でも展開するか
  • サイドチェーンの導入が影響するか
  • 提携する金融機関や企業が増えるか
  • 法定通貨として普及するか
  • 株式上場があるか

ひとつずつ解説していきます。

アジア市場でも展開するか

前述したように、リップル社はSBIホールディングスとの共同でSBI Ripple Asia株式会社を設立しました。設立の理由は、日本をはじめとするアジア圏での仮想通貨やブロックチェーンを活用した決済サービスの提供を普及させるためです。

同社はすでに、タイやベトナム、カンボジア、フィリピンで送金サービスを強化しています。アジア最大の人口を誇る中国とインドも対象国となっており、実用化された場合の需要の高まりは必至といえます。市場が拡大した場合、リップル保有者への仮想通貨エアドロップも期待できるでしょう。

サイドチェーンの導入が影響するか

リップル社は2024年6月に、次世代プロダクト「XRPL EVMサイドチェーン」を発表しました。分散型台帳「XRP Ledger」のサイドチェーンとして開発され、仮想通貨業界に新たな可能性を示しています。

「XRPL EVMサイドチェーン」を導入するメリットは、分散型金融(DeFi)と実世界資産(RWA)のトークン化の実現です。さらに、クロスチェーンアプリケーションの開発を容易にする専用ブリッジプロトコル「アクセラー」も採用しました。

今回の発表により、仮想通貨リップルが業界において革新的な存在であることを示しています。

提携する金融機関や企業が増えるか

リップル社が提供する国際送金ネットワーク「RippleNet」は、金融機関や企業から支持を集めています。今までにアラブ首長国連邦の国際送金会社アル・アンサリ・エクスチェンジやグーグルベンチャーなど、名だたる企業が参加しており、実用性と潜在能力の高さを証明しているのです。

仮想通貨リップルの技術を活用することで、世界の金融機関や企業はより効率的なサービスを提供できるようになります。今後も提携機関が発表される度にリップルへの注目が高まり、価格にも影響を与える可能性があります。

法定通貨として普及するか

ミームコインとは違って実用性を持つ仮想通貨リップル(XRP)が法定通貨として普及するかも、重要なポイントです。過去には、アラブ通貨基金が中央銀行デジタル通貨の代替策として、リップルの採用を検討したこともありました

法定通貨としてもリップルが利用された場合、認知度が拡大するだけでなく、仮想通貨の価格の安定にも寄与するのです。

株式上場があるか

本記事執筆時点で、リップル社は株式上場を実施していません。しかし、その可能性は常に注目を集めています。2024年1月には、リップル社ブラッド・ガーリングハウスCEOがIPOの計画を当面保留すると発表しました。この発表を受けて、今後の資金調達戦略と事業展開に注目が集まっています。

株式上場が実現すれば、開発資金の調達が容易になり、事業を拡大しやすくなります。その際は、仮想通貨リップル(XRP)の価格も上昇する可能性が高いです。ICO仮想通貨と併せて、今後の株式上場の動向は、投資家や市場から期待されています。

仮想通貨リップル(XRP)の課題

ビットコインとイーサリアムとリップルを見つめる男性

仮想通貨リップル(XRP)の課題は、以下の2つです。

  • 米証券取引委員会(SEC)との裁判の長期化
  • 仮想通貨に対する法整備

それぞれ解説していきます。

米証券取引委員会(SEC)との裁判の長期化

リップル社と米国証券取引委員会(SEC)の裁判の長期化は重要なポイントです。裁判の流れは以下のとおり。

  1. 2020年12月にSECがリップル社に対して「有価証券登録をせずに販売してきたことは違法である」と主張。同社と創設者を提訴しました。
  2. 2023年7月に、アメリカ地方裁判所は「有価証券に該当しない」と部分的な判決を下しました。一時的にリップルの価格も高騰を見せました。
  3. 2024年6月に、SECとリップル社は罰金額をめぐり議論を続けています。

一連の訴訟は、仮想通貨リップルにも大きな影響を与えるものです。今後、規制などが明確化されると、投資家やユーザーの信頼回復にもつながり、価格の高騰をもたらす可能性もあります。

仮想通貨に対する法整備

前述したように、リップル社とSECの裁判で争点となっている「有価証券」と「通貨」の分類は、仮想通貨リップルの定義を明確にする大切な問題です。

主要コインのビットコインやアルトコインに対する法律も世界各国で整備途上であり、技術革新のスピードに法律が追いついていないのが現状です。この法律のあいまいさが、今回のような裁判を引き起こしています。

リップルだけでなく、他のおすすめ仮想通貨にも同じことが言えるので、今後の進捗はこまめにチェックしましょう。

仮想通貨リップル(XRP)に関するよくある質問

仮想通貨リップル(XRP)は今後100万円になりますか?

仮想通貨リップル(XRP)はどこで購入できますか?

仮想通貨リップル(XRP)は投資に適していますか?

仮想通貨リップル(XRP)に関するまとめ

仮想通貨リップルは、国際送金システムの効率化を目指すWeb3.0仮想通貨です。リップル社が開発した独自のプロトコル上で機能し、中央集権型として設計されています。本記事では、そんなリップル(XRP)の特徴や仕組み、発行枚数などを解説しました。

アジア市場での展開、サイドチェーンの導入、金融機関や企業との提携拡大、法定通貨としての普及、株式上場など、将来性を示すポイントも多数あります。過去には1000倍以上に高騰した実績を持ち、高速取引や低コストの手数料などでも注目を集めています。

とはいえ、投資を検討する際は、事前の情報収集が欠かせません。今後も当メディアでは、プレセール仮想通貨やNFTに関する最新情報を発信していきます。仮想通貨のICO情報などを知りたい方は、ぜひブックマークして、将来的に大きなリターンを得られるようご活用ください。

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