ビットコイン(BTC)の価格は、これまで「半減期」と呼ばれるイベントをきっかけに大きく動く傾向があります。2024年4月に4回目の半減期が発生。再び市場の注目を集めています。半減期によってビットコインの供給量が減少するため、これから価格がどう動くのか、多くの投資家が気にしているところです。
しかし、中には以下のような疑問を抱えている方もいることでしょう。
- 仮想通貨の半減期、次はいつなの?
- ビットコインの半減期後、価格はなぜ上がるの?
- ビットコインのマイニングはいつ終了するの?
そこで本記事では、ビットコインの半減期とは何かをわかりやすく解説します。ビットコインの半減期がどのような仕組みで動作し、過去の半減期が価格に与えた影響を振り返りながら今後の価格動向を見ていきましょう。次の大幅な価格上昇はいつになるのか気になる方は最後までご覧ください。
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ビットコイン半減期とは?
ビットコインの「半減期」とは、ビットコインネットワーク上で一定のブロックが生成されるごとに、マイナーが受け取る報酬が半分に減少するイベントのこと。ビットコインの発行ペースを制御し、総供給量が2100万枚に達するまでの時間を調整するために設計された仕組みです。半減期は、ビットコインを過去に1000倍以上の爆上げを見せた仮想通貨の1つにした大きな要因となりました。
円やドルなどの法定通貨を発行する中央銀行の役割は、インフレを抑制しながら通貨の価値を維持すること。具体的には、金利を調整したり、国債の買い入れや売却を通じて市場に供給される通貨量の管理を行います。しかし、ビットコインには中央銀行のように通貨を発行する組織が存在しません。そのため、ビットコインでは「半減期」という仕組みがインフレを抑制し、通貨の希少性を確保する役割を担っているのです。
ビットコインの最初のブロック(ジェネシスブロック)が2009年に生成されて以来、1ブロックあたりのマイニング報酬は50BTCでスタートしました。約4年ごとに報酬が半減。半減期が進むたびに、ビットコインの新規供給は徐々に少なくなり、2024年時点では1ブロックあたり3.125BTCとなっています。
ビットコイン半減期の仕組み
ビットコインは、210,000ブロックごとに半減期が発生するように設計されています。1ブロックの生成は平均約10分。1回の半減期が発生するタイミングはおおよそ4年ごとになります。
以下は、ビットコイン半減期が実施されるとどうなるのか、仕組みを簡単に説明した流れです。
- ブロック生成とマイニング:ビットコインの取引は「ブロック」という単位でまとめられ、これを承認するために「マイナー」が計算処理(ハッシュ計算)を行います。1つのブロックを承認するごとに、マイナーには報酬としてビットコインが付与されます。
- 報酬の半減:ビットコインのプログラムには、マイニング報酬を210,000ブロックごとに半分に減少させる仕組みが組み込まれています。例えば、最初は50BTCだった報酬が1回目の半減期で25BTC、2回目で12.5BTC、3回目で6.25BTCと減少していきます。
- インフレ抑制:報酬の半減は、ビットコインの供給を制限し、インフレを抑制するための手段です。新しいビットコインが発行される速度が低下することで、ビットコインの希少性が高まり、市場における価値の維持が期待されます。
- 最終的な供給量:ビットコインは発行上限が2100万枚に設定されており、半減期を繰り返すことで新規発行されるビットコインの数は徐々に減少します。最終的には全てのビットコインがマイニングされ、報酬は手数料のみとなります。
ビットコイン半減期はいつまである?
ビットコインの半減期は、ビットコインの全発行量が2100万枚に到達するまで続きます。2100万枚の上限に到達するのは、現時点の予測では2140年頃です。今後も定期的に半減期が発生し、次の半減期は2028年頃と予測されています。
ただし、ビットコインのマイニング報酬が完全になくなるわけではなく、全てのビットコインが発行された後も、取引手数料がマイナーの収益源となる予定です。マイナーはブロックチェーン上で行われる取引を承認するため、依然として重要な役割を果たすことになります。
ビットコインの半減期は、これからもビットコインの希少性を支える重要なイベントであり、価格や市場の動向に大きな影響を与えると考えられています。以下、ビットコイン半減期の一覧です。
ビットコイン半減期一覧カレンダー | |||
---|---|---|---|
回数 | 日付 | マイニング報酬 | |
1回目 | 2012年11月28日 | 50BTC → 25BTC | |
2回目 | 2016年7月9日 | 25BTC → 12.5BTC | |
3回目 | 2020年5月11日 | 12.5BTC → 6.25BTC | |
4回目 | 2024年4月20日 | 6.25BTC → 3.125BTC | |
5回目 | 2028年頃(予測) | 3.125BTC → 1.5625BTC | |
6回目 | 2032年頃(予測) | 1.5625BTC → 0.78125BTC | |
7回目 | 2036年頃(予測) | 0.78125BTC → 0.390625BTC/td> | |
8回目 | 2040年頃(予測) | 0.390625BTC → 0.1953125BTC | |
9回目 | 2044年頃(予測) | 0.1953125BTC → 0.09765625BTC | |
10回目 | 2048年頃(予測) | 0.09765625BTC → 0.048828125BTC |
ビットコインの半減期と価格上昇の関係
ビットコインの半減期は、供給量が減少することで価格に大きな影響を与える重要なイベントです。過去のデータを振り返ると、半減期の後にはビットコインの価格が長期的に上昇する傾向が確認されています。供給が制限される一方で、ビットコインに対する需要が高まるため、結果として価格が上昇することが多いのです。
過去の半減期前後で価格がどのように推移してきたかを分析することで、今後の価格動向を予測する手がかりを得ることができます。特に、半減期後の12〜18カ月で価格が大幅に上昇する傾向が強く、このパターンが今後も続くと予想されています。
1回目のビットコイン半減期分析(2012年11月28日)
1回目の半減期は、2012年11月28日に実施されました。ビットコインの半減期前後で、過去には価格がどう変化したかをチャートとともに見ていきましょう。
半減期前(2012年8月~11月)
同期間では、ビットコインはまだ非常に小規模な市場であり、取引される価格も比較的安定していました。2012年8月時点では価格は約10ドル前後で推移。大きな価格変動は見られませんでした。当時はビットコインが一般的に認知されておらず、取引量も限られていたことが要因です。
しかし、半減期が近づくにつれて徐々に市場の期待感が高まり、価格が少しずつ上昇する兆しが現れました。特に11月に入ると、10ドル台後半に差し掛かるなど、価格の上昇が見え始めます。半減期による供給減少の効果が市場で意識され始めた時期であると考えられます。
半減期時期(2012年10月~12月)
半減期が近づく11月の時点で、ビットコインの価格は急激に上昇し始めました。11月の半減期の直前・直後には、ビットコインの供給量が50%減少するという事実が市場にインパクトを与え、投資家の間でビットコインの希少性が強く意識されました。
12月に入ると、ビットコインは急速に価格を上げ始め、2013年初頭まで続く強力な上昇トレンドが形成されます。特に、この時期にはメディアでの露出も増加し、一般の投資家や初期の機関投資家も注目し始めたことが、価格の急騰を後押ししたと考えられます。
半減期後(2012年11月~2014年5月)
半減期後、ビットコインの価格は12~18ヶ月の間に大幅な上昇を見せました。2013年末には、初めて1000ドルを超える価格に到達。ビットコイン市場は急激に成長を遂げます。
同時期には、マイニング技術の進化と投資家の興味が結びつき取引量が急増。供給減少だけでなく、ビットコインの存在が広く知られるようになり、需要が急増したことが影響しています。
しかしその後、2014年初頭には短期的なバブルが発生し、1000ドルを超えた価格が一時的に下落し始めます。価格はその後400~500ドル程度で安定。供給減少の影響と市場の調整が絡み合った形で推移しました。
2回目のビットコイン半減期分析(2016年7月9日)
2回目の半減期は2016年に実施されました。
ビットコインの2回目の半減期は、1回目の半減期と同様に、価格上昇を後押しした重要なイベントでした。しかし、2回目の半減期後は、ビットコインがより広く認知され、大規模な市場参加者や機関投資家も参入することで、より大きな価格変動が見られました。
2017年のバブルとその後の急落を経験したことで、市場は成熟し、ビットコインは長期的な成長に向かっていくことが確認されました。ビットコイン半減期後の過去のチャートとともに、もう少し詳しく見ていきましょう。
半減期前(2016年4月~7月)
2016年の半減期前の数ヶ月では、ビットコインの価格は緩やかな上昇を見せていました。特に4月の時点で価格は約400ドル前後で推移していましたが、半減期が近づくにつれて市場の注目が集まり、投資家の間でビットコインに対する期待が高まり始めました。7月の半減期直前には、ビットコインの供給が減少することを前提にした市場の期待感により価格はすでに650ドルを超えるまで上昇を見せました。
半減期時期(2016年7月~9月)
半減期直後、2016年の夏にかけてビットコインの価格は一時的に調整が見られました。半減期後には価格の急激な上昇は一服し、短期的には価格が少し停滞している様子が見られます。7月から9月にかけては、価格は600ドル前後で比較的安定。半減期後の一時的な供給減少の影響が市場に吸収され、再び需要が追いつくまでの一時的な調整期間であると考えられます。
半減期後(2016年7月~2018年1月)
半減期から12~18ヶ月後、価格は急激な上昇を見せました。特に2017年末には、ビットコインの価格は10,000ドルを超え、12月には一時20,000ドル近くにまで達しました。急激な価格上昇は、2017年にかけての市場でのビットコインへの需要の急増と、マイニングの発展、メディア報道の増加、そして仮想通貨ICO(Initial Coin Offering)ブームによる投資の流入が大きく影響しています。
この時期の価格急騰は、供給が半減して希少性が高まったビットコインに対する市場の強い期待を反映しています。しかし、2018年初頭にかけて、価格は一時的に調整され、再び10,000ドル以下に戻りました。
2回目の半減期では、価格はゆっくりとした上昇から急激なバブル形成に向かい、2017年末には史上最高値を更新。半減期が市場に及ぼす長期的な影響が確認できると同時に、価格上昇に関わる他の要因(市場の需要、メディア報道、技術の発展)が強く影響したことがわかります。
3回目のビットコイン半減期分析(2020年5月11日)
3回目の半減期は2020年5月に実施されました。上記のビットコイン半減期後の過去のチャートとともに、どう変化したのか確認していきましょう。
半減期前(2020年2月~5月)
3回目の半減期前の時期、2020年初頭のビットコイン価格は約8,000ドル前後で推移していました。半減期が近づくにつれて価格は徐々に上昇傾向を見せ、5月の半減期直前には約9,000ドルまで上昇。
同時期には、半減期による供給減少への期待が市場に広まり、特に機関投資家や個人投資家の間でビットコインへの関心が再燃しました。新型コロナウイルスの影響で経済の不確実性が高まったことも、ビットコインの価格上昇を支える要因の1つと考えられます。
半減期時期(2020年5月~8月)
2020年5月の半減期直後、ビットコインの価格は一時的に$9,000前後で停滞。その後、2020年夏から秋にかけて価格は10,000ドルを突破し、強い上昇トレンドに乗りました。
同期間は、供給減少の影響が徐々に市場に反映され始めたことに加え、金融緩和策やインフレヘッジの手段としてのビットコインの人気が高まっていた時期でもあります。この時期にはDeFi(分散型金融)やメタバース関連の仮想通貨プロジェクトの台頭もあり、ビットコインに関連するエコシステム全体への投資が増加していました。
半減期後(2020年5月~2022年4月)
半減期から約12~18カ月後、ビットコインは2021年末にかけて急激な価格上昇を見せました。特に2021年11月には史上最高値の約69,000ドルを記録。ETF(上場投資信託)承認の期待感が高まったことや機関投資家の参入、マイニング技術の発展、さらにはNFT(非代替性トークン)やWeb3.0といった新たなブロックチェーン技術への関心の高まりが背景にあります。
同時期、ビットコインは金の代替資産としての地位をさらに強化し、特に経済の不安定さが増す中で、安全資産としての役割を果たしていました。
2022年に入ると、世界経済の混乱や規制の強化、インフレ懸念などが原因でビットコインの価格は一時的に下落。約20,000ドル台での調整が見られました。半減期後の市場は再び落ち着きを取り戻し、一部の投資家は利益確定の動きを見せましたが、長期的なビットコインの価格トレンドは依然として強気基調が続いています。
4回目のビットコイン半減期分析(2024年4月予測)
4回目のBTC半減期は2024年4月に実施されました。上記のビットコイン半減期後の過去のチャートとともに、どう変化したのか確認していきましょう。
半減期前(2024年1月~4月)
2024年の第4回半減期を前に、ビットコイン価格は上昇基調を示しています。2023年後半から徐々に上昇し、$50,000から$60,000のレンジで推移しています。
また、金融市場における不確実性が続く中、ビットコインがインフレヘッジや価値保存手段として再び注目されています。特にアメリカの金融政策や経済指標の動向により、機関投資家の関心が高まり、市場全体にさらなる強気の見方が広がっています。
半減期時期(2024年4月~7月)
半減期直後のビットコイン価格は、供給が減少するものの、大きな価格変動は見られず、一時的に価格が停滞することが予想されます。過去の半減期と同様に、供給減少の影響が価格に反映されるまでには数か月の時間がかかる可能性があります。
新たな需要と供給減少がバランスを取りながら、価格が調整される「過渡期」となるでしょう。市場は投資家の様子見ムードに包まれ、一時的な停滞期に入ったと言えます。
同時期には市場価値2位を誇るイーサリアムのETFが承認されています。イーサリアムの今後にも注目です。イーサリアムの買い方はこちらを参照ください。
半減期後(2024年7月~2026年1月)
半減期から12~18ヶ月後の2025年中頃にかけて、ビットコイン価格は再び上昇に転じる可能性が高いです。供給が減少する中、機関投資家のさらなる参入や、ブロックチェーン技術の発展(NFTやWeb3.0、ミームコイン関連プロジェクトの拡大)も価格上昇を後押しする要因となるでしょう。
2025年後半には、過去のピークに匹敵する、もしくはそれを超える新たな高値を記録する可能性があります。特に金融緩和や地政学的リスクが続く中で、ビットコインが「デジタルゴールド」としての地位をさらに強化すると期待できるでしょう。
CoinMarketCapは2024年の半減期後、ビットコインはこれまでのサイクルとは異なる動きを見せ、価格のピークが約100日早く訪れる可能性があると報告しています。レポートでは、2025年5月中旬から6月中旬にピークが来ると予測。また、ビットコインが金やIT株との相関を強め、従来の4年サイクルではなく、新たな市場動向や機関投資家による影響を受ける可能性も指摘されているため常にビットコインの今後の動向をチェックするようにしましょう。
ビットコイン半減期の過去の動向から学ぶヒント
ビットコインの歴史上、半減期はこれまでに4回発生しており、そのたびに市場に大きなインパクトを与えてきました。過去の半減期から学べるヒントを理解することで、ビットコインの今後の価格動向を予測する上でのヒントが得られます。
半減期に関連して把握しておくべき事項には以下のようなものがあります。
- 半減期前後の価格上昇
- 短期的な価格変動のリスク
- マイナーへの影響とネットワークの安定性
- 長期的な価格上昇トレンド
- 市場の成熟と投資家心理
ビットコイン半減期前後の価格上昇
過去の半減期では、半減期が近づくと価格が上昇する傾向が見られました。供給の減少により価格が高騰するという市場の期待が影響していると考えられます。
しかし、価格上昇は一夜にして起こるものではなく、半減期の数ヶ月前から始まり、場合によっては半減期後にしばらくしてからも継続されることが多いです。投資家は長期的な視点を持ち、ビットコイン購入のタイミングを見極める必要があります。
短期的な価格変動のリスク
半減期直後には、価格が急激に変動することがあります。過去の事例では、半減期直後に価格が一時的に下落するケースも見られました。急な変動は、期待感からの過熱や利益確定の売りが要因となることが多く、短期的な取引を行う投資家にとってリスクとなります。
過去の経験から学ぶと、半減期直後の価格変動に一喜一憂するのではなく、常に客観的な立場から冷静な判断が必要です。特に柴犬コインのようなミームコインの価格変動には気をつけましょう。
マイナーへの影響とネットワークの安定性
半減期によって報酬が半分になるため、マイナーにとっての利益率が低下し、一部のマイナーが採算の合わない状態となることがあります。過去の半減期では、一部のマイナーが撤退し、一時的にハッシュレートが減少する現象も観察されました。
しかし、長期的にはネットワークが安定を取り戻し、効率の良いマイニングが行われるようになります。マイニングの難易度が調整され、ビットコインのネットワークが持続可能であると言えるでしょう。
長期的な価格上昇トレンド
ビットコインの過去の半減期を振り返ると、短期的な価格変動があっても、長期的には価格が上昇していることがわかります。ビットコインの供給量が制限されていることが要因です。半減期を繰り返すたびに新規供給量が減少し、需要が増加することで、価格が持続的に上昇するというパターンが見られます。ビットコインに限らず、その他アルトコインへの投資は長期的な視点で戦略を立てることが重要です。
市場の成熟と投資家心理
半減期を通じて、市場が徐々に成熟してきたことも学べる点の1つです。初期の半減期では、ビットコインがまだ広く知られておらず、価格変動が非常に激しかったのに対し、最近の半減期では投資家の知識が向上し、価格の変動も以前ほど急激ではなくなりました。
市場が成熟し、多くの投資家が半減期の重要性を理解するようになったことで、価格変動への反応が以前と比べて緩やかになってきています。
まとめ
ビットコインの半減期は、その供給量を減少させることで市場に希少性をもたらし、価格上昇を促す重要なイベントです。これまでの半減期の後、ビットコイン価格は長期的に上昇しており、2024年の第4回半減期においても同様の動向が期待されています。
半減期前には投資家の期待が高まり、価格は上昇する傾向にありますが、半減期直後は一時的な調整が発生する可能性があります。しかし、供給減少の影響が市場に完全に反映されると、12~18カ月後には再び価格が大幅に上昇する傾向があるため、投資家は短期的な変動に左右されず、長期的な視点を持つことが重要です。
過去の半減期では、価格のピークが半減期後に訪れることが多く、今回のサイクルでも同様に、2025年中盤に向けた強気相場が予測されています。ビットコイン以外の様々なおすすめ仮想通貨もこの影響を受けるでしょう。