アップルは11日、同社の仮想現実(VR)・拡張現実(AR)ヘッドセット「Vision Pro」向けに、初の没入型動画コンテンツを公開した。
没入型動画作品「Submerged」とは
今回公開された「Submerged(サブマージ)」は、第二次世界大戦時の潜水艦を舞台にしたスリラー短編だ。
オスカー賞受賞監督のエドワード・バーガーが脚本と監督を手がけ、180度の視野角で撮影されている。ユーザーは周囲の様子まで自由に見渡すことができ、これまでにない没入感を味わえる。
バーガー監督は次のようにコメントしている。
「アップルの没入型動画は素晴らしい新しいメディアで、物語の地平線を広げてくれます」「今までにない方法で物語を語ることができ、私たちのチームの物語作りに対する考え方を変えました」
アップルのマーケティングコミュニケーション担当副社長、トー・マイレンは「Vision Proは物語の中心にあなたを置きます」と語る。
「密集した潜水艦の中で、乗組員と肩を並べて。この深い没入感は今までは不可能でした。映像制作者たちがこれを使ってビジュアル・ストーリーテリングの境界線を押し広げていくのが楽しみです」
今後のコンテンツ展開
アップルは「Submerged」以外にも、Vision Pro向けのコンテンツを続々と計画している。
18日には、NBAオールスターウィークエンドを題材にした短編映像を公開予定だ。バスケットボールファンは、選手たちのプレーを間近で体験できるようになる。
音楽コンテンツも用意されている。「Concert for One」と題されたシリーズでは、アーティストによるプライベートライブを体験できる。第1弾では、ブリット・アワードを6回受賞したRAYEが20人編成のバンドと共演する。
さらに、旅行や体験をテーマにした「Adventure」や「Elevated」シリーズの新エピソードも予定されている。
Vision Proの可能性と今後の展望
Vision Pro向けの没入型動画は、アップルTVアプリを通じて無料で視聴できる。
アップルはこの独占コンテンツを、Vision Proの魅力をアピールする要素の1つとして位置付けている。今後も映画やドラマシリーズ、音楽イベントなど、さまざまなコンテンツが開発される予定だ。
没入型動画技術の進化により、エンターテインメントの形が大きく変わる可能性がある。Vision Proがもたらす新しい体験が、コンテンツ制作やメディア消費の在り方にどのような影響を与えるのか、今後の展開が注目される。