アップルは23日、次期OSとなるiOS 18.2のベータ版を開発者向けに公開した。人工知能(AI)機能の拡充を図り、チャットGPTとの連携や画像生成機能など、新たな機能を多数実装する。
アップルのAI戦略が本格化
同社は今年6月にアップルインテリジェンスを発表し、AI分野への本格参入を開始した。
iOS 18.1では米国英語のみに対応していた機能を、今回のアップデートで英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカの英語にも対応を拡大する。
注目すべき新機能は、チャットGPTとの統合だ。ライティングツールやSiriで利用可能となり、ユーザーはSiriに指示を出すと、その要求をチャットGPTが実行する仕組みを採用している。
画像生成機能が充実
iPhone 16およびiPhone 16 Pro向けには、ビジュアルインテリジェンス機能も追加される。
ロック画面のカメラコントロールを長押しすることで新しいビューファインダーにアクセスでき、写真を撮影した対象物についての情報を得られる。
さらに、イメージプレイグラウンドという新機能では、プロンプトに基づいて画像を生成できる。
衣装、場所、アイテムなどの要素を追加する提案も受けられる。iPadではアップルペンシルを使って描いたスケッチから画像を生成する「イメージワンド」機能も搭載される。
安全性機能も強化
iOS 18.2では、子どもの安全を守る新機能もオーストラリアで先行導入される。
iMessageやAirDrop、FaceTimeなどで送信される不適切な画像や動画を機械学習により自動検出し、ぼかし処理を施す。さらに、報告機能も備え、必要に応じて法執行機関への通報も可能となる。
iOS 18.2の一般向け正式リリース日程は未定だが、iOS 18.1は来週に一般公開される予定だ。今回のアップデートにより、アップルのAI戦略が一層明確になった形だ。